第11話 後日談 カレシ

 玉輝たまきと名乗る19歳の男が尋ねて来た。


 ……というか、その男、わたしになったメイベルと同棲しているというのだった!


 ……色々と話を聞いてみたら、玉輝は元パパ活の客だった。

 あ、見ためは可もなく不可もない感じ。

 

 わたしになったメイベルをすっかり愛してくれてるようだった。パパ活してたとかそんな経歴気にせずに。


 職業は売れない漫画家だった。同人活動なんかもしていた。

 なんとかギリギリ生活できる稼ぎ。


 わたしになったメイベルは、もうパパ活から足を洗っていてパートをしており、玉輝の手伝いもしていた。アシスタントというものだ。


 それをやってみると案外、けっこう楽しかった。

 まぁ、わたしもオタだしね。


 玉輝の描くマンガ。ヒットするのかどうかわからない。微妙……もひとつ才能ないんじゃね? 


 アレコレとわたしなりに意見もしてみた。

 玉輝は、そんな素人の意見でも真摯に耳を傾けていた。


 才能はなさげだけども、ものすごく熱意はあって、バリバリ描いていた。

 本当にマンガが生きがいって感じで、熱い。


 不覚にも玉輝がかっこよく見えてしまったので、抱かれてあげた。


 2人で、そんな生活も悪くないかもな、なーんて思った。


 てか、彼氏って良いもんなんだな……。


 喪女だった頃のわたしに比べたら、大した成長じゃないの。

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