第10話 後日談 メイベルのおねがい

「ねえ、千果ちかさん千果さん、はじめまして」

 

 そう声をかけてきたのは、なんと、転生する前の27歳のわたしだった!


 さらに千果というのは、元の世界にいた時のわたしの名前だ……どういうこと!?


「わたし、今は千果さんの姿だけど、メイベルです」


 えっ、わたしはメイベルの姿をしているけど千果で……。


「わたしの魂は、一旦天界に昇ったのち、千果さんの身体に宿りました。それで一命を取り止めて、あなたのその後の生活を引き継いでたんです」


 えっ? ええ?


「わたしも転生したんですよ! 千果さんの世界へと。で、そのおり神さまからわたしもチートを授けてもらってまして……」


 わたしはどうにか状況が飲み込めてきた。


「どんな能力? イケメン彼氏付けてもらうとか?」


「夢の中でこうして千果さんとコミュニケーションが出来る能力と、それともうひとつ。あなたさえ良ければ、お互いの魂を入れ替え、元の生活に戻ったりなんかも可能です」


「ええっ、そんなのいや……。かなりいや!」


「でもわたし、またオーリィに会いたくって。1週間、いえ3日ほどでもお願いできないでしょうか……」

 

 それ言われちゃうと弱いな……。オーリィみたいなあんな可愛い男の子、そういないしねえ。



 かくして、3日だけという約束で、わたしはまた元の世界へと戻った。




 *


 ――わたしは親元を離れ、東京郊外のマンションで一人暮らし……。


 えっ、自宅警備員だったわたしが? 

 わたしの両親て、仕送りなんてしてくれなさそうだけど……どうやって家賃を?


 通帳見たら300万もあった!


 スマホ見てわかった。

 チャットアプリに、600人くらいの見知らぬ男が登録されてて……そのやり取りの内容がキモい……。


 メイベルはわたしになっても、こっちでもパパ活を……喪女だった元のわたしの身体はすっかり汚されて……。



 まぁ、直ぐ異世界に戻るけど。


 憂さ晴らしに300万、パーっと使ってやろうかしら!

 ショタのラブドールでも注文してやれ……前から目を付けてやつ……でも、3日以内に納品、お迎えはむりか。

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