異世界史上最強賢者の弟子!!!とても危険な森でひっそりとスローライフを満喫中です!-スローライフを邪魔するやつは闇に葬るのが良いと俺のじいちゃんは言っていた-
リリーシャの過去。ケルドという男について
リリーシャの過去。ケルドという男について
模擬戦が終わったあとに、俺たちはリラックスしていた。
「このコーヒーという液体は、コクが深くて、香りがとてもよいのだな。思わずほっとしてしまうようだよ」
「わかるぞ、その気持ち、おかわりはいるか?」
「いやいい。それよりも、私はこの家に住んでいいのだろうか?迷惑とかでないか?」
「まあ、いいだろ。行く当てもないだろうしな」
素直でまっすぐにそんなことを言われたら、多くの男たちはコロッと恋に落ちてしまいそうな可愛らしい笑顔で【ありがとう】と言われる。しかし、こんなにかわいい女の子を追放したパーティに対して疑問がでてくる。
どうしてリリーシャは追放されたのか?についてだ。剣の腕は一流であり魔法もそれなりに使える。エロい身体を売ろうとしてくる変な癖があるけれど、欠点を隠せば一流の冒険者に見える。
「なあ、リリーシャ?追放された原因を聞いてもいいか?」
いまならリラックスしている。これから生活を共にしていくかもしれない人のことは少しくらい知ってもいいだろうと考えている。
「やはり話さないとダメか、聞きたいというならば話そう」
♢ ♢ ♢
私は、リリーシャ・クリムゾン。カイに言ってもわからないかもしれないが、田舎の育ちでな、君の知らない遠いところからきた冒険者だ。
冒険者として活躍し魔物から街を守ったりもした。時には、仕方なく身体を売るような真似をしてお金を得ることもあった。カルドと呼ばれる男とその時に知り合い勇者のパーティとして組むようになった。
最初は、良いパーティ、仲間だと思っていたのだが、女の子しかパーティいなかったというのが変だったのだ。
最初は不思議に思ったよ。でも、こんなわたしでも必要だと言ってくれた。お前、女の子なのに強いな、頑張ってきたんだな、尊敬するよ!という言葉が嬉しくてたまらなかったんだ。
しかし、その気持ちは一気に崩れ去る。ある日、私は、カルドの泊っている宿屋に呼ばれ、扉を開けると、パーティのメンバー同士で、その、え、えっちなことをしていたのだ。こっちにきて一緒にやろうと言われた。もちろん。断った記憶はあるのだけれど、思い出そうとすると頭が痛いのだ。
そして朝に気づいたら男の隣で全裸になった私が寝ていた。それは次の日もあり。洗脳されたように宿屋に向かうと気づいたら朝という展開。
ケルドとほかの女の子たちと冒険に出る日がきて依頼は、この森の調査だった。ケルドは仲間たちにその場で勇者のパーティを追放すると言い、転移結晶でその場から離脱。女の子たちは何かが解けたようにあわてて森の出口へと逃げていく。
私も逃げようとしたが、空腹のグリーングリズリーに見つかってしまったというわけだな。
すまない。そういうと椅子から立ち上がり、外に駆け出してく。
俺の横を通り過ぎるときに彼女は泣いていた。流れ出た涙がきらりと見える。
あわてて追いかけようとする。
その時、警報が起動して部屋に響く。今はそれどころではない。
俺はリリーシャを追いかけることにした。すまない。
リリーシャを追いかける。
追いかけると男一人に対して女の子五人のハーレムパーティの横にリリーシャはいた。
泣いていたのが、嘘のようにこちらに悲しい目を向けて立っている。
「ありがとう。リリーシャあとで、今夜もベッドでお礼をしてあげるよ」
リリーシャに肩をまわして胸当てに手を入れて胸を揉んでいる。
派手な金髪。キツネのような目つき。顎にちょっとした髭を生やした30歳くらいにみえる男性。黒い胴当てに黒いマント、シルバーの脚当てに銀の長剣を腰にさしている。
顔が嫌がっているリリーシャに対して、ケルドという男はキスをしようと迫る。
俺は、「おい、嫌がってるだろう」と言うと直前でやめる。
「なあ、こいつ、金持ってるんだろ。ありがとうな。リリーシャ。俺のために」
「そうだ。こいつは金をかなり持っている。間違いない。だから、金は取ったとしても殺さないでくれ頼む」
うーん。みたいなら感じで少し考えているようだが、考えが思いついたのか。パッと汚らしい笑みに変わる。
「決闘しよう。俺に勝ったら、女の子たちの奴隷契約は破棄してやる。お前が負けたら、家ごと俺のモノでいいか?」
奴隷契約?
この異世界に奴隷があったのか?
知らなかった。しかしリリーシャはどうして奴隷になったんだ。
微かにチャームの魔力を感じる女の子たちはこれに引き寄せられて、奴隷契約まで結んでしまったのか。
「いいだろう。お前みたいなゴミくずは、俺の異世界スローライフのじゃまになる。よって
スローライフを邪魔するやつは闇に葬る」
「だめだ、カイ、君の実力では‥‥‥ふふぐっ」
リリーシャの口を手で塞ぐ。はいはいそこまでねっと言いジャラと剣を抜く。リリーシャが刀身に反射して、何かを伝えようとモゴモゴしている。
他の女の子たちはケルドの命令に従ってリリーシャを取り押さえる。
「じゃ、はじめようや、カ・イ・くん」
剣を構えるケルドは両手剣の使い手のようだ。
まるでスキがない。
信じられないが、コイツがこの世界の勇者で間違いはなさそうだ。
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