エピソード② カイ・クロフィード2

 家に戻る。

 俺の家は、じいちゃんの手作りハウスだ。

 コンクリートのような壁に四角い窓が二つ配置してあり、木製のドアが取り付けてある。

 屋根には、煙突があるカブトムシのツノのような形をしていて、赤色で塗られた瓦がずらりと並べられている。

 俺は、家に入る。

 ドアを閉めた時のキィィという音が手作り感を感じさせる。

 収穫したものを俺の手作り木製机の上に置いたあと、ダイニングチェアに座り、テーブルに置いてある古い本に手を伸ばし、本をぱらっと広げ、読んでいたところから読み始めようとする。

 俺は、思い出したかのように読者タイムには欠かせない珈琲を忘れていた。

 俺のユニークスキル【創造】で作り出した。

 珈琲メーカーから珈琲を入れる。

 家の中が珈琲の香りで満たされる。

 珈琲を入れた熱めのカップをテーブルの上においたのなら、読者タイムが始まる。

 この時間はとても至福に感じる。

 珈琲をフーフーして熱さを少しでも冷ますと

 ズズっと啜る。まだ熱かったようで軽く口の中を火傷した。


いや〜俺のユニークスキルが便利すぎてスローライフが快適すぎてやばい。


珈琲の美味しさを堪能しながら思う。


時間を気にせずに読書をしながら今日の昼を何にしようか?ふと考える。


「今日の昼は、葉物を天ぷらにしようかな〜」

これもスローライフでしかできないのでは?

とりたての新鮮なモノをカリッとした天ぷらにして、口の中の油をごくごくとアルコール飲料で流し込みすうぱぁどぅらぁいにしたあと、優勝して両手をあげる。

想像しただけでヨダレが口の中にあふれて出てくる。

本を読んでいるのに集中できずにぐぅぅぅぅとお腹の音が空腹であることを知らせてくれる。


俺は、本に栞を挟みパサっと閉じたあとテーブルの上にさきほど、テーブルに置いておいた収穫した葉物たちを何枚かとり、他は収納魔法の中へと分けたのち立ち上がってキッチンの方へと歩き出す。


俺は、天ぷらの材料となる物を収納魔法から取り出す。鍋に油を入れたあと火をつける。その間に葉物に衣を付ける作業へとうつる。

油を入れた鍋がある程度の温度になったのを確認すると衣をまとった葉物を油の中へとダイブさせていく。

パチパチパチと油が弾ける音とともに衣の色が少しずつ変わっていくのを見ていく。

まだか、まだかと思うこの時間がお預けをされている犬の気持ちがわかるような気がする。


カリッカリッに揚がった葉物の天ぷらの完成だ。


白い湯気が熱々さを感じさせる。いや今はそんなのは関係ない。

アルコール飲料を用意はOK。後は優勝するだけ。




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