頭の中の設計図#3「武装花嫁」

※原文から再編集しています。



 作者のひとつのこだわりとして、主人公に最強キャラは使わない、があります。

『俺強eee』をしない、というルールです。(個人的に話を作りにくい、苦手ジャンルというだけですが)


 そんな(個人的な)ルールを破っているのが、武装花嫁です。(長所と短所が釣り合っているので、破っている、とも言えませんが)

 最強キャラである、主人公・江戸屋えどや

 ただ、彼の強さはルール無用の喧嘩に特化しており、それ以外の分野では致命的で、及第点にも達しない、と一貫しています。

(一つの分野に特化した最強、それでも上には上がいる、が、理想の形と思っています)


 彼がいれば『戦い』という分野において、負けることはあり得ない。

 どんな武器も作戦も、全てを咄嗟の判断で壊して進める。

 そんな彼の勝利が約束された『二人一組で出場する、観戦型バトルエンターテイメント』

 ――が題材舞台になります。


 しかし、彼が戦うのではなく、実際に戦うのはパートナーの女の子。

 ヒロイン・河澄かわすみミトになります。

 見下し系ヒロイン(と勝手に名付けていますが)――です。

 おどおどして、まともに喋ることもできない内気な少女の内心は、実は超攻撃的で、保身的で、誰よりも江戸屋を見下している。

 背中を預けられても絶対に恋仲にはなれない二人、という関係性です。


 話の大筋としては、

 一人が別室で指示を出し、一人が迷路のようなステージで動き回る、箱庭バトル。

 ――その大会がメインとなります。


 自分で動けば最強の江戸屋が、指示に回ることで見えてくる喧嘩の難しさ。

 そこに、彼本人が、自分で自分の足りない部分に気づいてくれればな、と。


 壊滅的なコミュニケーション能力の不足は、河澄だけではなく。

 江戸屋も、喋りはするものの、他人の扱いがかなり雑で、言葉を発せば敵を作るような性格なわけです。

 陰と陽とも言える、正反対でも攻撃的な主人公とヒロイン。

 水と油のようで、だけど実際は火に油だったのかも。


 意外と、それでも相性だけは良い――。

 良いコンビとは言い難いですが、別のコンビを組ませると絶対に失敗する――

(どころか、一方が怪我をする)

 なんだかんだと互いに、彼(彼女)しかいない、と自覚しているわけで。


 そんな二人を楽しんでもらえれば。


 作中で男尊女卑を取り入れていますが、それを否定し、なんとかしようとする少女がいます。

 自身の余命を削ってでも、男にだけはなめられたくない。

 男尊女卑という体制を変えるために、奮闘する彼女が一番――江戸屋だけでなく、どんな男よりも、強いのでしょう。



 https://kakuyomu.jp/works/1177354054918892585

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