頭の中の設計図#4「魔法使いと未来人が無人駅にいる。」

※原文から再編集しています。



 ライトノベルを書いていると自然と偏ってしまう男女比を、この作品では少年たちに寄せてみました。


 帆中ほなか千海ちうみというお姫様を、少年四人が奪い合うという構図。

 主人公、面舵おもかじから見た敵側の三人。彼ら仲間内でさえ、お姫様をどうにか手に入れたいと暗躍しているため、口に出している仲間意識よりもかなり水面下ではギスギスしていますね。


 男女比、少女多めのラブコメだったら色仕掛けに走るものですが、これが男となると他者を蹴落とす方向に舵を切るわけで。

 しかも舞台が、魔法使いがいる世界ですからね。

 じゃあ暴力で決着をつけようとするのは自然の流れになります。


 題材は「魔法使い」――これに「未来人」を絡めてみました。

 魔法と科学……と言ってもいいんですかね?(魔法による、タイムスリップという形です)


 もう一人のヒロインである「みちる」の正体は予想がついたのでは?

 一応、ミスリードはしているのですが……。

 どう考えても、ああ、あの二人の「あれ」だろうなあ、と思うでしょうね。

 あまり天邪鬼に捻っても、面白くはならないと思い、王道で突き進みました。

(自作は基本的にハッピーエンドを意識しています。娯楽なのにバッドエンドを見せてもなあ、という意識があるためです)


 ……最低限の足掻きとして、漢字表記を最後まで使わない、と制限しました。

 そして、

 執筆当時は身近だった「ガチャ」「リセマラ」要素を、作中の召喚獣に当てはめてみました。

(使い魔だったり召喚獣だったり、表記揺れがあるのは見逃してください……)

(無理やり言い訳をすれば、正式名称はないので人それぞれで言い方が違う、というのは……?)


 気に入った召喚獣が出るまでリセットを繰り返す。

 やられた召喚獣は、まあ嬉しくはない仕打ちで。

 だからこそ面舵には一発勝負をさせました。


 主人公ならリセットしないよね、という期待も込めて。

(一応、リセットが悪いというわけではないです。召喚獣は物扱いですからね、生命というくくりではないわけです。ですけど、そこに人権を意識するところが、主人公なのかなあ、と)


 物語の構成はシンプルに。

 悲劇の未来を知り、バッドエンドを回避するために現実を変える。

 大切な女の子の死を回避するために、たとえ世界的な犯罪者になってでも、彼女を助け出す――


 停滞し、進みたくても勇気が出ずに足踏みしていた面舵が、あの子の死をきっかけにして、前へ進むための物語でした。



 https://kakuyomu.jp/works/1177354054918897129

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