第20話 オートバイショー

 次は、『サターン・オートバイ』と呼ばれるオートバイショーだ。


 リング中央に土星を模した黄色と緑に光る直径7メートルの鉄の球体が置かれている。


 ジャンとシーザーという男性と、ヘイリーという女性の曲芸師3人がヘルメットを被り白地に蛍光色の黄色の入ったバイクスーツを着、オートバイの音を響かせながらアリーナに現れる。3人はバイクを走らせ開けられた入り口から鉄球の中に入る。


 スリリングな音楽に合わせて、大きな走行音を響かせながら3台のバイクが大きな惑星の中を時速50キロで回り始める。3人の身体はオートバイの車体と一緒に斜めになり、逆さまになりながら走り続ける。バイクが球の天井部分を走る時など、落ちてしまわないかと心配になりハラハラした。


 3台のバイクはけたたましいエンジン音を上げ十数センチの隙間を交差しながらしばらくの間走行していた。


 命懸けのショーを終えた彼らが土星から帰還した時、労いと感動の込められた拍手喝采が送られた。

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