第2話  どこまでが嘘なんだ!

「ねえ、どうしたらあたしと付き合ってくれる?」


「ない!そもそも別れてる!」


「あれーそうだっけ?」


こいつ記憶力無いのか


「あ、でもさ。そもそもあたし告白されたこと無いと思うんだけど違う?」


「何嘘言ってるんだよ。ちゃんと告白して付きあってただろ」


「・・・ねえ、それっていつの話」


「おまえが4歳で、オレはまだ3歳だったかなー」


あはははは

なんだ。変な汗が流れたぞ

風邪かもしれないから早退するか


「ねえ」


「はい、何でございましょう」


「何そのふざけた口調、なめてるの?」


オレは椅子から滑り落ちるように教室の床に正座する。

そっと両手を床につけ頭を床に擦り付ける


「大変申し訳ございませんでした!全てオレの勘違いでした!」


彼女はその白くてきれいな足をオレの頭部にそっと乗せると

「もう、やだなー頭が高いよね。まだまだ下がるよ、ほれほれ」


いてえ

こいつ調子に乗りやがって


「そんなんじゃあたしの初めては上げられないぞ。うりうり」


「いやそんな中古品は返品不可でお願いします」


「いやマジだよ」


「えだって」


「何なら試してみようか」


「おまえすぐ脱ぐなし」


「あたし浮気はしないよ、そんなの面倒くさい」


「でも避妊って」


「だから何もしないのが一番の避妊だからね」


ふひひ


うわーこいつの顔殴りてー

殴られてやられたっていうのは


「あー襲われたから返り討ちにしてやった」最初不不意打ちはノーカンでお願いします。


「よし付き合おう!」


「おまえさー調子良すぎない?」


「だって処女すきだし」


「きも!こっち来んな!妊娠してしまうわ」


「・・・あんたら結局どうするの」


どうって どうしたらいい


「もし付き合わないならあたしがもらうから」


「えっつ、うっそ、オレの事が好きだったのか」


「制服のクリーニング代もまだもらってないし」


「その節は大変失礼をいたしました」


「あ、そう言えばゴムがないとかどうとか」





ちっ、

こいつバカじゃなかったか


せっかくだまくらかしたのに。


ようやくクズな先輩と別れた


かっこよくてイケメンで勉強もできるスポーツ万能な彼よりも、どうしようもなくこいつが好きだった。


口汚いし、頭もそんなに良くないし、ちっとも女扱いしない。

ホントどうしよもないこいつが、誰よりも好きってわかったから。


こいつだけはないなーって思ってた。

かっこいい彼氏探すために一生懸命自分磨きした。

たどり着いたのがここだなんてさ。


なんて時間の無駄だよ!


王子様がこいつだなんて

ため息すら出ないわ


私が処女なのは当然だ。

こんだけ慎重に婿探してんだよ


あの時はほんとだめかと思った


ゴム駄目男との死闘の後、ぎりぎり死守した自分を褒めてやりたいね。

それでも彼はそんなあたしのために怒ってくれた。

多少的外れであったけど嬉しかった。


でもだからといって


「私の初めてを上げるかは悩む」


あんまり死守しすぎてこいつにすらあげたくないわー


結局彼氏彼女でいるより

こいつと友達でいるほうが楽しかった。


「やらせない彼女ってどう思う?」


「俺のことだけ好きならそれでも良いや。浮気とか不倫の心配さえなければ」


「言質取ったぞ!」


何のことだって言ってるそいつに、


「結婚したら教えてやるよ」


と言ったら


「じゃいいわー」って答えた


「お前淡白すぎ」


そんなんじゃ女の子に持てないからなー

私がもらってやるから感謝しなよ


「じゃあ、将来の奥さん」


「なんでしょう、将来のお婿さん」


「嘘さえつかなければ答えはイエスだ」


また難しいことを

でも


「それでいいよ」

でも嘘の証明はできないよね それこそ嘘ついたら


「騙すなら上手に騙せよ。俺は小心者なんだから」

バレないように死ぬ気で隠せよと


「それは知ってる」

死ぬ気は嫌だけど


「まあ出来る限りでよろしくね。花婿さん」





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俺の幼馴染がひどすぎて吐きそう! 水都suito5656 @suito5656

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