第7話悪役ムーブをブチかます!

ー前回のあらすじー

元気いっぱいの中二病、朝貝栄一は迷子になっていたところで、ゴブリンに殺されそうな子供たちに出会い、助けるためそのゴブリンと対峙する。

そこで何者かを聞かれ、悪役っぽい答え方をするのだった......。

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「テメエ、冒険者ギルドのもんか?」


ゴブリンがそう聞いてきた。

へぇ〜、やっぱり冒険者とか存在するんだ。さっすが異世界!

まぁ、元々そういう組織とも事を構えるつもりだったからこう答える。


「そんなチンケな組織と一緒にしてもらっては困るね。」


どうよ!このどんな者も下に見るこの感じ!悪役って感じだよねっ!


「ハア!?じゃあ何だテメエは!通りすがりの勇者ってか!」


「なにを、馬鹿n............!」


「馬鹿な。」って言おうと思ったけどたしかにそうじゃん!

子供を助けちゃうなんて悪役っぽくない!

な、なにか設定を考えないと....っそうだ!


「いやはや私は錬金術師でね、とある秘薬の製作に子供が必要なんだよ。」


ニチャアという笑みを子供に向けると「ヒッ!」と悲鳴を上げた。よし!


「チッ、何だよ闇錬金術師か、今度あったら他のガキやるから、今日は諦めろ!」


闇錬金術師とは?闇医者的なやつかな?


「いやいや、この子どもたちがいいんだよ。いい素材になりそうなんでね。」


「だめだ!だめだ!コイツは勇者の疑いがあるからな!」


ゴブリンがそう言うと金髪の少年が「えっ、勇者?」と呟いた。

えっ?こいつ勇者なん?ゲームとかでよくいるあの?


マジか!いや、逆に好都合か?


「それならなおさら渡すわけには行かねえなぁ、勇者の肉はいい素材になるんでね!!」


「チッ!さっさと諦めればいいものを!おい!」


「「「ギャギャギャ!」」」


ゴブリンがそう叫ぶと、茂みから何匹もゴブリンが出てきた。


うん、ゴキブリかな?一匹いたら百匹いるらしいし。

っていうか喋れたのこいつだけだったんだ。


「へへ、この俺<ゴブリンレバイス>にしかないスキル、「統率」だ!テメエも早く諦めときゃ、長生きできたのになぁ。」


「早死するのは君の方じゃないのかね?」


「なんだとッ!」


そんなふうに言い争っているとそ~とっ、少年が少女をおぶって逃げていった。

よかった、よかった。


「さっさと死ね!<突撃>!」


「おっと、<鎌鼬かまいたち>。」


そんな感じで感傷に浸っていると、いきなりゴブリンに襲われたので魔法を唱える。


もう!空気読めないなぁ。


「ギャッッ!」「ゴエッ!」「オゴッ!」


俺の掌から現われた風の刃がゴブリンたちを切り裂く。


「な、<風刃>かっ!?」


たしかにこの世界の風刃という魔法に似ているかもしれないが、これは少し違う。


「おいおい、よそ見してたら危ないぞ。」


「何ッ!」


相手を自動で追尾してくれるのだ。


「ま、待ってくれ!あのガキは、やるからっ!殺さないでくれ!」


<鎌鼬>を避けながらゴブリンが提案してきたので一旦、魔法を止める。


「ホントにあの子供をくれるのかな?」


「ああ、やる、やるよ!」


「そうかそうか、君を見逃したらあの子供をくれるのか。」


満面の笑みを浮かべながらゆっくりとゴブリンに歩み寄り、


「ほ、本当だ!約束する!」


「そうか、それはとても素晴らしい提案だな。」


そのまま肩に手を置いて、


「だ、だろッ!?」


ゴブリンが安心しきったところで...。


「……とでも言うと思ったかい?」

「なッ!」


心臓を貫く!


「ガアァァァァ......」


心臓を貫かれたゴブリンはうめきながら、ゆっくりと血の海に沈んでいった。


「君の死因は私を怒らせたことだ。」


いやあ〜、カマしちゃいましたね!悪役ムーブ!















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*あとがき*

読んでくださりありがとうございます!

「面白いッ!」「主人公重症!」「先が気になる!」と感じた方はぜひレビューをください、励みになります!

ちなみに、あのあと無事にレオ達は街につくことができました。やったね!

設定4ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ゴブリンレバイスは普通のゴブリンを改良しただけなので、ゴブリンジェネラルなどには、戦力の面で勝てません。

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