第8話街に潜入!

ー前回のあらすじー

元気いっぱいの中二病、朝貝栄一は子供を襲おうとしていたゴブリンを悪役ムーブをかましながら討伐する。

そして、道に迷いながらも街につくのだった。

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「よし、これでOKだ。ようこそ、[エッセンドル]へ!」


「おお、ありがとうございます!」


街の門番に入門金を渡し、街に入れてもらう。

ちなみに金はゴブリンどもから奪ったよ!アイツらたんまり持ってたわ。


いやあ〜、それにしてもやってきました!異世界の街!


「うわあ〜、スゲエ、獣人なんかもいるじゃん!」


俺の視線の先には犬のような尻尾や耳がついている男女が談笑していた。

ちなみに、俺が今着ている服や顔は浮かないように<偽装>という魔法で現地人に合わせている。


最初からこうしときゃよかったね!


「おーい!そこのお兄ちゃん、オークの串焼きはどうだい!」


異世界にきた感動を噛み締めていると屋台の店主っぽいおじさんが話しかけてきた。

オークの串焼きとは、異世界グルメですな?食べるしかない!


そのまま屋台に近づき、注文する。


「オークの串焼き一つ。タレ付きで!」


「あいよぉ!銅貨三枚だ!」


俺が銅貨を渡すと店主が肉を焼き始め、香ばしい匂いが漂ってくる。

ああ、このタレが少し焦げ付く匂い、たまんないね!ご飯3杯は行ける!


「兄ちゃん、エッセンドルに来たのは始めてかい?」


 髭面の店主が聞いてくる。


「ああ、少しここで稼ごうと思ってね。」


俺がそう言うと店主は朗らかに笑い、「そうか、頑張れよ。」っと言ってくれた。



優しい人だなぁ。


「ホイっ!できたぞ!」


そんな感じで談笑を楽しんでいると、出来上がったみたいだ。


「ありがとさんっ!」


(どれどれ、この世界の串焼きはうまいのかなぁ?)


そんなことを考えながら串焼きを口に運ぶ。すると、


「う.......」


「う?」


俺のうめき声に店主が首を傾げる。


「うまあああああああああああああい!」


何だこれっ!クソうめえ!

プリプリの食感な上に噛むたびに肉汁が溢れ出して、だけど決してくどくなくて、香ばしくて、とにかくうめえ!


「ハッハッハ!そりゃあよかった!」


俺が一心不乱に貪り食う様子を見て店主が笑う。


「あ〜、美味しかった。また来るよ!」


「おうよ!また来い!」


店主も気がいいし、しばらくここの常連になるかもな。


さてと、腹も膨れたことだし


「冒険者ギルドはどこかな〜?」


まずは冒険者ギルドに潜入しないと!


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(side.領主)

エッセンドル領主館にて


「領主様!ノト村が魔物により滅ぼされたようです!」


「何ッ!それは真か!」


「はい!昨日の夜頃、生き残りと見られる子供を門番が発見し、事情を聞いたところ発覚しました。」


ノト村はかの勇者ノトが晩年に住んでいたと言われる村で、

「勇者の子孫がいるのでは?」と疑いがあった村だ。


そんな村が滅ぼされたということは魔王軍の生き残りが行動を始めたと取っていい。


「今すぐ、兵士の数を増やせ!ギルドにも冒険者の数を増やすよう通達せよ!」


「はっっ!」


指示を受けた兵士が部屋を出ていく。


「なんということだ......。」


部屋で一人になった領主のつぶやきは誰にも聞かれることなく消えていくのだった。











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*あとがき*

読んでくださりありがとうございます!

「面白いッ!」「主人公うんまあああい!」「先が気になる!」と感じた方はぜひレビューをください、励みになります!

ちなみにいまの主人公の顔は西洋風で、目は青色です。

設定5ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オークの串焼きのタレは照り焼きみたいな味。

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