(9)
「悪いな……王宮では昼食は間食扱いだ。朝と晩に比べるとイマイチかも知れん」
女騎士さんは、ボクとお嬢様の
「具体的には、何をすればいいんですか?」
「とりあえず、『王女様』っぽく振舞えばいい。明日は、単に顔合せだけだ」
ボクとお嬢様と女騎士さんは……昼食を取りながら打ち合わせ。
薄くて丸い
「まさか、『台本』とか何も無いんですか?」
ボクは、女騎士さんに、そう訊いた。
「すまん。何とか……相手から破談を言い出すようにするつもりだが……」
「あ……あの……」
お嬢様が、おどおどとした感じで手を上げる。
「何だ?」
「もし、本当に婚約したら……どうなるんですか?」
「難しいな……。下手をしたら、我が国と神聖王国は1つの連合王国になる可能性が有る。だが……」
「でも……私としては……えっと……」
「今より良い暮しは出来るかも知れないが……ややこしい事になるぞ。まず、こう云う場合、新しい首都は『文明国』の方になるが……困った事に、我が国と向こうの国は、どっちも自分の方が文明国だと思っている。そして、向こうの国の王都は……」
「行った事有るんですか?」
「有る……。完全に……地獄だ、奈落だ、悪夢の世界だ。我が国の国民の中には神聖王国の連中を
「そ……そんなに……」
「で、この王都が新しい連合王国の首都になった場合は……」
「場合は……?」
「君が偽物だとバレるのは時間の問題だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます