第14話 卓球といつ、どこで、誰が、何をした、ゲーム!

 それから卓球の試合が始まる。ペアは肝試しの時と同じく、僕アンド三日月さんペアVS颯太アンド桜田さんペアで戦っているのだが、


「強過ぎだろ…」


「これは勝てんわ…」


 5分間のマッチの中で21対2と言うヤバい勝ち方をしてしまう。その理由は三日月さんがうますぎるのである。


「三日月さん、ナイス」


「ありがとう、鳴釜くんもナイスアシスト!」


 そして、拳をぶつけ合う。

 なんか、こう言うことするの男子と男子のイメージがあるけど、女子とするのもいいな…


「んじゃあ、もう1回やろーぜー」


 勝てる事に楽しくなった僕は言う。


「さんせーい」


 三日月さんも僕の提案に乗ってくる。

 多分誰がペアでも余裕で勝てると思うけどね。


「いや、もう…」


 颯太は意気消沈しているが、


「え、お前負けたままでいいの? そうやって逃げるの恥ずかしくないの??」


 ちょっと煽ってみる。普段はこんなことしないので、ちゃんと煽れてるか分からないが、


「んだと? てめぇ、次こそボコしてやるよ」


 どうやら成功したようだ。


「桜田さんも良いよな?」


 颯太が強めに言う。

 桜田さんには申し訳ないことしちゃったかもな、と思っていた矢先、


「もちろん、私も悔しかったし」


 即答だった。どうやら桜田さんは負けず嫌いのようである。


 それから2回試合をしたが、2回ともボロ勝ちした。


「もう一回!」


 と、颯太は言うが、他の班の人が順番待ちをしていたため、流石に譲った。


「くそぉ、なるっちに煽り返したかったなぁ…」


 と、別の意味で落ち込む颯太と、


「1回ぐらい勝ちたかったなぁ…」


 と、勝負に負けたことに落ち込む桜田さん。


 その光景を見て、三日月さんが僕に微笑む。

 そして、小さな声で、


「やったね、鳴釜くん」


 なんか2人っきりでこう言うことするのってカップルみたいじゃね?さいこー!


「うん」


 そうして、僕も満面の笑みで微笑み返したのであった。





 現在時刻は午後9時30分である。

 就寝まではまだ時間があると言うことで、僕たち男子の部屋で少し遊ぶこととなった。


「お邪魔しまーす、って、思ったより綺麗じゃん」


 そりゃ、何にもする暇なく出掛けたからな。


「まぁ? ちゃんとしてるから。ね? なるっち」


 颯太が胸を張って言う。


「ん、まぁ、そうだね…」


 とりあえず三日月さんもいることだし、僕への好感度が少しでも上がれば良いかな〜なんちゃって。


「ふーん、まぁ、何する?」


 疑うようなふーんだったが、一旦置いておこう。


「そうだな、いつ、どこで、だれが、何をしたゲームでもやるか?」


「おー、懐かしいね」

 

 このゲームを最後にしたのは小学校のお楽しみ会とかであろうか。やっぱり小学校のことは思い出したくない………。


「まぁ、とりあえずやってみよっか」


「そうだな」


 三日月さんも頷いているので、いざ、スタートである。適当に紙を切り分けてみんなで4つ書いていく。


 そして約5分後、


「よし、そろったな。じゃあやってくぞーまずはいつ!」


 颯太がいつのところから1枚引く。そこには、


「10年後」


 と書かれてあり、颯太が読む。

 次に、どこでである。


「なるっちの家で」


 って、なるっちって呼ぶの颯太だけだろ!分かりやすいな、おい。

 次に、誰が


「楠木先生が」


 どうなるんや?

 次に何をした。


「遭難した」


 謎すぎる文出来上がったー、


「なにこれ、面白いね」


 笑いながら桜田さんは言う。


「面白いだろ」


 颯太も笑いながら言う。三日月さんも笑っている。どうやら、みんな楽しんでいるらしい。


「じゃあ次行くぞ」


 いつ


「半年後」


「ほうほう、半年後ねー」


 桜田さんが続きを楽しみに待ち侘びているのがよく分かる。

 どこで


「学校で」


 うんうんと、三日月さんも頷いている。

 だれが


「鳴釜くんと三日月さんが」


 ほうほう、僕と三日月さんが?

 何をした

 

「付き合った」


「「は?(え?)」」


 そういった後、2人揃って顔を赤くする。

 颯太が僕を見てニヤニヤしていた。狙ったなあいつ。しかも見抜かれてるの泣くわ。


「サイコーじゃん!!」


 爆笑しながら桜田さんは言う。

 それから恥ずかし過ぎて文の記憶は全くないのであった。

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