第27話  消えた魔法使い

南の森の奥深く、アリシアたちの一行はついに魔法使いがいるとされる屋敷に到着した。古びたが荘厳なその屋敷は、謎めいた雰囲気に包まれていた。


何かがおかしい…。


エドワードが扉をノックした。

「誰かいないかー?」

「俺たちは守護者の一行だー!」

「この地の守護者である君に会いに来た!」



(…………………………)


何も反応がない。



エドワードはガレスと目を合わせ頷いた。

ドアノブを回すと、あっさりと玄関扉が開いた。


しかし、彼らが屋敷の中に足を踏み入れると、そこには誰の姿もなく、静寂だけが彼らを迎えた。


「ここが最後の守護者、魔法使いの屋敷…」

アリシアは周囲を見渡しながらつぶやいた。彼女の表情は、期待とともに少しの失望を隠せないものだった。


屋敷の中を探索すると、確かに数ヶ月前までは誰かが生活していた痕跡があった。

使われていた食器、埃がかぶった本、そして一部の部屋には魔法の研究に使われていたと思われる道具が残されていた。


「魔法使いは一体どこへ行ってしまったのかしら?」アリシアが不思議そうに言った。彼女の目には、答えを探す好奇心が宿っていた。


そのとき、クロウが何かを感じ取ったかのように屋敷の奥へと進み始めた。

「こちらに何かありそうよ」と彼女は言い、他のみんなを導いた。


彼らがたどり着いたのは、屋敷の最も奥にある小さな書斎だった。

書斎の中には多くの魔法に関する書物が並び、壁には謎めいたシンボルが描かれていた。


エドワードは「このシンボル、もしかすると魔法使いが最後に研究していた魔法かもしれない」と指摘した。


ガレスがそのシンボルを詳しく調べ

「これは古代の変身の魔法に関するものだ。魔法使いは何らかの理由で、自らを変える魔法を使ったのかもしれない」と推測した。


アリシアたちはその場で議論を交わし、魔法使いが自らを変えてどこかへ去った可能性について考えた。しかし、その理由は一切わから分からなかった。



夜が更けてきたころ、一行は屋敷に宿泊することにし、翌日も引き続き魔法使いの行方を探すことに決めた。


屋敷で過ごす夜、アリシアたちは暖炉の前に集まり、魔法使いの行方について議論を続けた。屋敷の至る所に残された手がかりは、謎を解くための鍵となるかもしれないと彼らは考えた。


アリシアは深く考え込んでいた。

「この魔法使い、なぜ自分を変えてしまったのかしら?そして、どこへ行ったの?」彼女の声には好奇心とともに、少しの不安も感じられた。


リリアはアリシアの隣で優しく言った。

「アリシアさん、きっとこの謎も解けるはずです。今までたくさんの困難を乗り越えてきたんですから。」リリアの言葉には、彼女のけなげな可愛らしさと、同時に新たな守護騎士としての自信も感じられた。


エドワードは壁のシンボルをじっと見つめながら言った。「この魔法使いは何か大きな理由があって、自らを変えたのだろう。私たちはその理由を突き止めなければならない。」


クロウは窓の外を見つめ、猫の瞳に深い思索が浮かんでいた。


夜が深まるにつれ、アリシアたちはそれぞれの思いを胸に眠りについた。屋敷の中は静かで、彼らの周りには森の静けさが満ちていた。


翌朝、一行は再び屋敷の探索を続けることにした。彼らは魔法使いの行方を探しながら、ガーディアナを守るための旅を続けていく。この旅が彼らに何をもたらすのか、まだ誰にもわからない。しかし、彼らの心には変わらぬ決意と希望があり、それが彼らを導いていた。

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黒猫?え?この服透けてないっっ!!?? 夢丸 @yunsan_

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