第25話 別れと新たな旅立ち
アリシアたちの一行は、最後の守護者である魔法使いを探しに南の森へ向かう前に、ヨセフの町に戻ることにした。
町に戻った彼らは、ヨセフの遺体を町の人々と共に丁重に埋葬し、彼の英雄としての生涯を称える儀式を行った。
町の広場に集まった多くの人々は、ヨセフの勇気と犠牲を讃えながら、涙を流した。空には柔らかな日の光が差し込み、ヨセフの魂が平和に包まれているように見えた。
リリアは兄の墓前に花を手向け、静かに「兄さん、あなたの願いを叶えるために私は戦います。私たちの旅は続きます」と誓った。
彼女の言葉は、周囲の人々に深い感動を与えた。
ヨセフの側近だったシーファは『闇の瞳』の封印とヨセフの最後の役割についての話を聞き、涙を拭いながら言った。
「ヨセフの意志は私たちの中に生き続ける。私たちも前を向いて生きていきます。」
町の人々はリリアの旅立ちを温かく見送り、彼女の安全な帰還を祈った。
「リリア、無事に帰ってきてね。私たちはあなたの帰りを待っているよ」と町の人々が声をかけた。
リリアは
「必ず帰って来ます。この町はヨセフ兄さんと……あなた達との思い出がたくさん詰まった故郷ですから……。」
アリシアは町の人々に向かって感謝の言葉を述べ
「私たちはヨセフの意志を受け継ぎ、ガーディアナのために戦います。彼の思い出はいつも私たちの心にあります」と言い、彼女の目には決意の光が輝いていた。
町の住人も「光の巫女」アリシアに対して最大限の感謝の気持ちで頭を下げていた…。
そして、先日までは感じられなかった空気や色がこの街を包んでいた。
エドワード、ガレス、クロウも一同に別れを告げ、新たな守護者、魔法使いを探しに南の森へと向かうことを決めた。彼らの背中には町の人々の暖かい祈りが重なっていた。
アリシアたちの一行は南の森へと向かう道を歩き始めた。
彼らの旅は新たな章へと進み、未知の冒険が彼らを待ち受けていた。しかし、彼らの心にはヨセフの勇気とリリアの決意が共鳴し、ガーディアナを守るという強い意志で結ばれていた。
「ねえガレス、そういえば最後の魔法使いってどんな人なの?男の人?女の人?」
「その事なんじゃが、実はわしも詳しくは知らんのじゃ…。先代の守護者であるシェリルとは旅をしたことがあるんじゃが、もう10年程前に亡くなってな……」
「え!?じゃあ魔法使いは居ないって事……?」アリシアは驚いて言った。
ガレスは落ち着いて、
「いやいや、弟子がおってその子が全てを受け継いだらしいという事は聞いておる。しかもシェリルを遥かに凌駕する能力を持つと。」
「そうなんだ……」アリシアは少しホッとしてつぶやいた。
エドワード「確か女の子だと聞いたぞ。きっと助けてくれるさ!さ、会いに行こう!」
リリア「どんな方かしら…。少し楽しみです。」
アリシアは少しふざけながら言った
「クロウはどうかしら?仲良く出来るかなー?」
クロウは全反応しなかった。
アリシアが続ける
「ん?クロウ?どうしたの?」
「クロウー?」
クロウがようやく気付く
「え?な、何?…」
「え?聞いてなかったのー?もうっつ!」アリシアはそれほど気に留めなかった。
リリアだけが、クロウの目の奥にしまい込んだ何かに気付いたのだった……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます