第24話 光と闇の狭間で
満月が空高く輝く中、アリシアたちは神秘的な儀式を進めていた。
『封印の石』を中心に配置し、『闇の瞳』の力を抑え込むための古代の呪文を唱え始める。しかし、儀式が進むにつれて突如として闇の力が強まり、祭壇周辺は不穏な闇の渦に包まれた。
アリシアの純白の衣装が闇に飲み込まれそうになる中、彼女は全身から力を振り絞り「私たちは絶対に諦めないわ!」と叫んだ。
彼女の瞳には強い光が宿り、その輝きが周囲の闇を少しずつ押し返していた。
しかし、闇の力は圧倒的で、アリシアは次第にその勢いに押されていった。彼女の体がふらつき、衣装が闇に呑まれそうになる中、エドワードとガレス、クロウが必死に彼女を支えた。
「アリシア!持ちこたえて!」エドワードが声を張り上げた。
しかしそれでもどんどんアリシアの体が押され始め、巫女の装束がめくれあがりその美しい体が露わになる。
(もうダメかも知れない……。)
アリシアが地面に押し付けられる。
その時だった、まるで答えるかのように、奇跡が起こった。
なんと、ヨセフの思いが形となり、彼らの前に現れたのだ。
ヨセフの透明な姿は優しい光を放ち、アリシアに力を与える。
「光の巫女よ……すまない、ガーディアナを守ってくれ…」という彼の声が聞こえた。それに呼応したアリシアの体に新たな力が満ちていった。
アリシアはヨセフの力を借りて立ち上がり、再び儀式に集中した。
彼女の周りの光が強く輝き、闇の渦を押し返し始めた。ガレスの呪文とクロウの魔法が彼女をサポートし、徐々に闇を押し返し、
ついに『闇の瞳』の力は封じられた。
闇が消え去り、穏やかな光が辺りを照らす中、横たわる人影が浮き上がる。
リリアの姿が現れたのだ。
そしてゆっくりと目を開けた彼女はかつての穏やかな表情を取り戻し、アリシアたちに感謝の微笑みを向けた。
ヨセフの透明な姿はリリアに向かって手を伸ばし、彼女は涙を流しながら彼に触れようとした。しかし、ヨセフの姿は徐々に消えていき
リリアは
「兄さん!ヨセフ兄さん!………ありがとう……」とつぶやいた。
アリシアも涙を流しながらヨセフに感謝の言葉をささげた。
「ヨセフ、あなたのおかげで、リリアもガーディアナも救われたわ。本当にありがとう。」
エドワード、ガレス、クロウも静かにヨセフに敬意を表し、彼の最後の役割を称えた。
ヨセフとの別れと『闇の瞳』の封印は、ガーディアナに一時の平和をもたらしたが、アリシアたちの旅はまだ終わらない。最後の守護者である魔法使いを見つけることが、真の平和への鍵となる。彼らは次なる目的地へと向かう決意を固めた。
その時、リリアが前に一歩進み出て、アリシアたちに向かって言った。
「私も皆さんと一緒に旅を続けたい。兄の意志を継ぎ、新たな守護騎士としてガーディアナを守りたいのです。」
アリシアはリリアに近づき手を握った。
「リリア、それは素晴らしいわ!ヨセフもきっと喜んでいるはずよ」
と笑顔で答えた。リリアの勇気ある決意は、彼女たちに新たな力を与えた。
エドワード、ガレス、クロウもリリアの加入を歓迎し、一同は新たな仲間として彼女を迎え入れた。彼らはこれからも団結して、ガーディアナの本当の平和を取り戻すために戦い続けるのだった。
「あとは最後の守護者……魔法使い。」
アリシアの巫女の装束が一層白く輝いていた。
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