第11話 現代の謎、古代の賢者
アリシアは賢者ガレスの試練に挑む準備ができていた。
ガレスは彼らの前に謎めいた物体を置き言った。
「この装置を操作し、その秘密を解き明かせ。私も解答を知らないこの謎を、お前たちが解けるかどうか見せてもらおう。」
「え!また!?」
「あなたも知らない事をわたしが解くの?」
チラッとエドワードの方を見たが、全く動じていなかった。
「当然じゃろ。我らには解けないものを(光の巫女)の力で解き明かす事こそが、この世界を救う源となるんじゃからのぅ」
ガレスが諭す様に言った。
(そう言えばエドワードの時も、真の勇者に必要なネックレスを見つけ出したんだった。)
「…そうだよね、じゃないと異世界からわざわざ召喚なんてされる訳ないか…」
改めて装置らしきものに視線を戻した。
置かれていたのは、手のひら程の大きさで見た目がきれいに磨かれた板の様な装置だった。
そして画面の様なものがある。
彼女にはこの装置に見覚えがあった……。
「って、スマホじゃんっ!!!!」
アリシアは目を丸くして言った。
「スマホ?それは何だ?」ガレスは興味深げに尋ねた。
「うーん、私の世界では普通のものなんだけど、ここでは珍しいものなのよね。」
アリシアはスマホを手に取り、スイッチを探し始めた。
エドワードとクロウも好奇心を持って見守っていた。
そしてアリシアはあっさりと電源ボタンを見つけ、長押しした。
……しかし電源は入らない。
当然か。電気なんてないもんね。じゃあどうすれば?
んー……、あ!巫女の力!
アリシアは電源ボタンに指を添え、気持ちを集中させながら長押しした。
画面が白く光り、Welcome!!の文字と共に電源が立ち上がった。
「おおっっ!!」
アリシア以外が声を上げていた。
立ち上がった画面には色々なアイコンが並んでおり、アリシアは直感でタッチスクリーンを操作した。
すると、装置からは鮮やかな画像が現れ、さまざまな機能が表示された。
アリシアは慎重に操作し、そのアプリをひとつずつ確かめていった。
3つ目のアプリを開いた時、ある発見をした。
「これ、見て!このアプリが示しているのは、星の位置…それに合わせて何かをするのかもしれない!」
アリシアは星座の地図を表示していた。
エドワードとクロウはアリシアの発見に興奮し
「全く分からないがすごそうだ!」と言った。
アリシアはスマホを使って星の位置を計算し、それに基づいて図書館内の特定の場所に向かった。
彼女たちがその場所に到達すると、地面にさっきまでは無かった古代の象形文字が現れ、そしてその中心には赤く輝く宝石が埋め込まれていたのだ。
「これだ!星の位置が示していたのは、ここの秘密だったのね!」
アリシアは宝石を手に取り、ガレスに見せた。
「こ、これは……魔杖の実……!」
魔杖の実とは、賢者にしか扱う事の出来ない特別な力を生み出す魔杖。
そのエネルギーとなるものだった。
はるか昔、お師匠から聞かされていた。
「魔杖の実がその手にもたらせれば、お前もこの世界で一番の賢者と呼ばれる日も遠くないだろう」と。
ガレスの目には涙が溢れていた。
「お前さんの知恵と、その装置の力に敬意を表する。確かに、お前たちは真の賢者だ。私の力を、お前たちの旅に捧げよう。」
ガレスは宣言した。
アリシアの聡明さと、彼女の現代の知識が、古代の謎を解き明かしたのだった。
これにより彼らの旅は新たな次元へと進展し、ガーディアナを救うための重要な一歩となった。
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