頭が割れた感覚。後頭部。

その後頭部に、なにか異様なものが接続した。何かが流れ込んでくる。


思い浮かぶことが、あふれでて止めどない。自分の意思の一切を無視して、強制的に延々とイメージが沸き上がってくる。


ゲームのキャラクターが、街を飛び交い争っている。

◯◯ちゃんが、こわがっているからやめて欲しい。

◯◯くんが吐いたぞ。

いつみたかわからない神話的絵画。半裸の男が槍を構えて、牛頭の巨躯と対峙している。


次々に映像が切り替わり、終わる様子を見せない。何の映像なのか理解する前に、どんどんイメージが切り替わる。どこの街か、カフェか、なんの店か、考えることが、沸き上がるイメージに追い付けない。


もう、気絶してしまいたい。自己の存在すら呪い始めた。


自分の何かが砕け散っていきそうだ。隅々までひび割れ、粉々になりそうだ。



この経験から、魂を信じるようになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る