第6話 異国の空
彼は孤独であった。
物心ついた頃から、側近に囲まれていた。
それは自らを守る存在でもあった。
一挙手一投足を注目された。
いや監視された。
振る舞いは、全能を求められた。
だが、家族の世話をすることには、無能を求められた。
正門に着く。奥に官邸が見えた。
彼は見上げる。
異国の空は高く澄んでいた。
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