【あとがき】

『桜守』を最後までお読み下さり、有難うございました。


 私事で恐縮ですが、私、牡蠣が駄目なんですね。にも拘わらず、サイクリングツアーで岡山県の日生を訪れましたら町は見事にカキオコ(お好み焼き)一色。ようやく探し当てた超昭和レトロな喫茶店でお昼にありつけました。そのお店が今回の喫茶さくらの原型です。


 双子の城兄弟が申し合わせて成し遂げた桜の救助作戦、いや桜姫・絵梨の心の救助作戦、如何でしたでしょうか。

何の疑いもなく中吉兄さんの証言を聞いてしまうほど、桜にはミステリアスな一面がありますよね。本当の本当はどうだったのか、今もって判りませんし、もう聞くことも叶いません。それもまたミステリアス。え? 結局は悪戯ですって?


 毎年春の訪れを告げるように一斉に開花し、春の嵐に呆気なく散ってしまう桜花。その美しさや振る舞いには魂が宿っていると日本人は思い続けて来た気がします。だから桜の物語はたくさんあります。拙作にも桜の若木をモチーフにした短編が既にある位です。同様にJ-POPSにだって“さくら”って曲がたくさんあります。しかし一つ一つの曲に込められた想いや物語は本当に様々で、日本人が如何に桜に想いを託して来たかがよく判りますよね。本編でもヒロインだけでなく、周囲の人たちもそれぞれが桜に、そして桜を囲む人たちに想いを抱き、生きる糧にしているのです。そう言う全てが儚く美しいと思います。 これが日本人のDNAなのでしょうか。みんなが桜守なんです。


 因みに、ソメイヨシノの台木にオオシマザクラを接いだ例は見たことがなく、本当に源平咲きになるのかは、天国の城先生のみぞ知る、です。また、中吉兄さんのだまし絵のテクは私には見当つきません、悪しからずご了承ください。それから、能の四番目物『西行桜』には、本当に老人の桜の精霊が出て参ります。


 この度は『桜守』お読み頂き有難うございました。


                                           

                           🌸 Suzugranpa

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桜守 @suzugranpa

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