第30話 あらすじの書き方

ユウキ「今回はあらすじの書き方を紹介だ!」

アリス「お願いします」

ユウキ「前回も言ったが、あらすじは以下の順番で書くと良いぞ!」


転結起承


ユウキ「なぜかと言うと、転が一番爆発力が高いからだ!」

アリス「爆発力が高い?」

ユウキ「転は物語がひっくり返るところ! どんでん返しが起こるところだ!」

アリス「まあ、そうでしょう。だから転なのですから」


ユウキ「言い換えれば、物語の謎が明かされる場所なんだ」

アリス「ここからクライマックスに向けて、展開されていくのですね」

ユウキ「物語を作るうえで、真っ先に謎を作る必要がある」

アリス「確かに……。謎があるから、物語は気になるのですよね」


ユウキ「作者が謎の答えを知らないまま、書くわけにはいかないだろ?」

アリス「あ! だから謎の答えである、転から書くのですね!」

ユウキ「そう。伏線を張るためにも、まずは謎の答えを明確化しないと」

アリス「なるほど。だから変なところから始めると」


ユウキ「答えが分かったら、明かされた真実に対して主人公がどう動くかだな」

アリス「それが結末に向かっていくわけですね」

ユウキ「ああ。結末が分かった後、起承を書けばスムーズに進む」

アリス「しかし、実際どのように書けば良いのですか?」


ユウキ「まずは謎の答えから作る必要がある。状況がひっくり返るような答えだ」

アリス「どうすれば、それが考え着くのでしょうか?」

ユウキ「意外と簡単だぞ。実際は以下の3パターンがあるからな」


・味方が実は敵だった

・持っていた情報が、偽りだった

・敵の真なる目的が明かされる


ユウキ「この3つの型にはめれば、どうとでもなる」

アリス「そういうものですか……」

ユウキ「後は状況がひっくり返った後、主人公がどう行動するか書けば良い」

アリス「結構簡単に言ってくれますね」


ユウキ「イメージ湧き辛いと思うから、俺と一緒にあらすじを書いてみようか」

アリス「まあ、そうですね。お願いします」

ユウキ「まずは転の部分だな。今回は"味方が実は敵だった"を採用しよう」


~転~

 お供と共に敵を倒した主人公。敵の財宝を持ち帰り、持ち主に返そうとする。そこへ攻撃してくる、謎の集団が現れる。

 謎の集団を率いていたのは、主人公の育ての親だった。育ての親は、財宝を横取りするため、主人公と敵の同士討ちを狙ったのだ。

 主人公は命からがら、脱出。その際お供の1人が犠牲になる。育ての親の裏切りに、ショックを受ける主人公。だが命を懸けて自分を守ってくれたお供に答えるため、育ての親と決着を挑む。


~結~


 主人公は故郷の村に帰った。村で主人公は罪人扱い。主人公は自らの嫌疑を晴らすため、行動する。持っていた切り札を使い、育ての親の真実を暴露する。追い詰められた育ての親は主人公を始末しようと攻撃。お互い同じ技を繰り出しながら、攻防を繰り返す。

 主人公の方が一枚上手だった。彼は自主練で、師匠である育ての親を超えていたのだ。育ての親を倒し、奪われた財宝を取り戻す主人公。彼は親の贖罪のため、財宝を持ち主に返す旅に出て、物語は終わる


ユウキ「大体こんなもので良いぜ」

アリス「ざっくりしていますが、詳細なことはプロットに書くのでしたね」

ユウキ「あらすじは物語の流れを書くところだからな」

アリス「ですが、ここからどう起承に続けるのですか?」


ユウキ「こんな風に書けば良いぞ」


~起~

 森の中で一人の少年が、泣いていた。親に捨てられ、独りぼっちで森の中を過ごしていた。そこに通りかかった一人の老人が、彼を保護する。老人は彼の親となった。

 世の中を渡れるように勉強させ、訓練で体を鍛え上げた。数年後、少年は強くたくましい青年に成長していた。ある日老人から、村の近くで悪さをする敵がいることを、主人公は知らされる。

 主人公は敵を懲らしめるために、旅に出ることを決意。育った村を出て、初めての外の世界へと向かう。


~承~


 旅の途中で、主人公は3匹のお供と出会う。犬、かかし、こんにゃくを仲間に加えて、敵のアジトに向かう主人公。3匹はそれぞれの目的から、主人公に同行していた。犬は主人公に助けられた恩を返すため。かかしは独りぼっちから、仲間を得るため。こんにゃくは敵への復讐のため、主人公に手を貸す。敵の正体は人間を襲い、財宝を奪う鬼だった。

 胸に秘めた思いから、鬼と対決していく主人公。激戦の末、主人公は師匠から教わった奥義で、鬼を退治することに成功する。


アリス「なんか、童話の中に変なのが混ざっていたような……」

ユウキ「まあ、あらすじっていうのは、大体こんな風に書けば良いぞ」

アリス「見る限り、後の2つは転から逆算して書いていますね」

ユウキ「うん。伏線を張るために、こんな書き方をしているんだ」


・あらすじは転結起承の順に書く

・転は謎が明かされる場面である。最初に答えを考える

・起承は転から逆算して書く


ユウキ「次回はおまけみたいなもの。戦闘シーンの書き方を紹介だ!」

アリス「まあ、戦闘がない小説も多々ありますからね」

ユウキ「俺の書き方だから、参考程度に読んでくれると幸いだ」

アリス「意外とAIからの評価は良かったりするんですよね。ユウの戦闘シーン」


ユウキ「それじゃあ、みんな! 次回も宜しく!」

アリス「お願いします」

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