第28話 最初の一行に全力を注げ

ユウキ「今回は最初の一行について、解説していくぞ!」

アリス「お願いします」

ユウキ「最初の一行は非常に大事だ。多くのプロがそう言っている」

アリス「そうなのですか? 私はいまいちピンときませんが……」


ユウキ「実際はかなり難しいらしいぞ。インパクトがあるだけじゃダメらしい」

アリス「プロの方が言うならば、本当なんでしょうね」

ユウキ「最初の一行は作風を伝える、大事な場面だからな」

アリス「確かに。最初の一行だけは、誰にでも読んでもらえますからね」


ユウキ「読者だけじゃない。作者が作風を掴むのにも、大事なんだ」

アリス「え? 作者なら構想の段階で、作風は理解しているのでは?」

ユウキ「これも多くのプロが言っているんだが、実際書いてみないと分からない」

アリス「そういえば。構想と全然違う内容になることがありますね」


ユウキ「つまりその作風をどういう路線で行くか、理解する場所でもあるんだ」

アリス「なるほど。そう考えれば、最初の一行が1番大事ですね」

ユウキ「モブキャラの説明や、世界観のダラダラ説明はNGらしいぞ」

アリス「他にはどんなNGがあるのですか?」


ユウキ「本筋とほとんど関わらない、プロローグとかな」

アリス「あ~、やりがちですね……」

ユウキ「小説は表現方法が限られているからな。最初の一行で、説明は避けよう」

アリス「最初の一行の大事さは分かりました。問題はどう全力を注げば良いのですか?」


ユウキ「逆に頭を捻らないこと。浮かんだ言葉を、まず書いてみるんだ」

アリス「えぇ……。なんですか、それ?」

ユウキ「さっきも言ったけど、まず書いてみないと分からないことがある」

アリス「ええ。作品の方向性も、そうですよね」


ユウキ「だからまず書いてみて、違うと思えばやり直す。これを繰り返すんだ!」

アリス「でもそんなにポンポン出てきますかね?」

ユウキ「逆だよ。書けば書くほど、次のアイディアが浮かんでいくんだ」

アリス「そういうもんなのですか?」


ユウキ「うん。目で文字を見た方が、脳への情報量が多い」

アリス「それは何度も聞きました。そこから連想言葉の様にしていくわけですね」

ユウキ「そういうこと! とにかくピンっと来るまで書き続けるしかない!」

アリス「それが全力を注ぐということですか……」


ユウキ「これは裏技的やり方だが、プロットより先に一行目を書く人もいるぞ」

アリス「え? そんな行き当たりばったりで、大丈夫なんですか?」

ユウキ「作風を掴むため、敢えて何も決めずに一行目だけを書くみたいなんだ」

アリス「へえ。そんなやり方もあるのですね」


ユウキ「ああ。一行目で作風を掴み、そこから構想を膨らませる」

アリス「それほど一行目とは、作者にとっても大事な場面なのですね」

ユウキ「もっともこれは裏技。慣れないうちは無理に真似る必要はないぞ」

アリス「でも慣れたら、効果的に活用できそうですね」


・最初の一行目に全力を注げ

・最初の一行は作品の方向性を決める

・最初の一行がピンっと来るまで、書き続ける


ユウキ「前回も言ったが、これは書くのに慣れた人向けの内容だ」

アリス「初心者の人は、無理に真似しなくていいですからね」

ユウキ「まずは楽しんで書くことが、一番大事だと思うぞ」

アリス「楽しくなければ、続きませんものね」


ユウキ「次回は書くのに詰まった時の、対処法を紹介だ!」

アリス「慣れるとそういう症状がでてきますよね……」

ユウキ「何度もスランプに陥った俺が、とっておきの解決法を教えるぞ!」

アリス「7年も書くと、そりゃスランプ地獄ですよね……」


ユウキ「それじゃあ、みんな! 次回も宜しく!」

アリス「お願いします」

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