第26話 視点の固定について

ユウキ「今回は小説における、視点の固定について解説だ!」

アリス「よろしくお願いします」

ユウキ「初心者だけでなく、意外とプロでもやらかしていることだな」

アリス「ええっと。そもそも視点の固定とやらに、イメージが湧きません」


ユウキ「まあ、そうだよな。特に三人称だと、訳分かんないよな?」

アリス「はい。一人称ならコロコロ変えないと分かるんですけど」

ユウキ「視点とは目の事だ。そのキャラの視覚情報を、作者が文字にする」

アリス「どういうことですか?」


ユウキ「つまり、そのキャラが見ている映像が作者の脳にあり、それを文章にして紹介しているのが小説だ」

アリス「うむむ……。要は目を借りて、情景を描いているということですね?」


ユウキ「まあ、そんなところ。なんで、視点の固定が必要なのかというと……」

アリス「サッパリ分かりません」

ユウキ「シンプルに、話がごちゃごちゃになるからだ。読者に混乱をもたらす」

アリス「意外と普通の答えでしたね」


ユウキ「ああ。だがこの"普通"が、商業作品でも意外と出来てなかったりする」

アリス「一人称なのに、主人公が知りえない背後の情報を知っているとかですか?」

ユウキ「それは違うミスだな」

アリス「普通なのですが、意外と難しいのですね……」


ユウキ「分かりやすく”戦争編”から、考えてみようか」

アリス「いろんなキャラを活躍させるには、簡単な方法ですね」

ユウキ「ある小説が戦争編に入った時、正直俺は今までよりつまらないと感じた」

アリス「正直に答えますね……。それはなぜです?」


ユウキ「視点があちこち動いて、まとまりがなかったからだ」

アリス「まあ、いろんなキャラを活躍させようと思ったら、そうしますよね」

ユウキ「数ページで、もう別キャラ視点。ひどい時は1,2ページだけ別視点とか」

アリス「た、確かにそれは、混乱を招きそうですね……」


ユウキ「ちなみに三人称で書かれていたが、正直情報量が多過ぎると思ったな」

アリス「まあ、戦争をしているのだから、仕方ないのでは?」

ユウキ「うん。だから戦争編って、難しいんだ。安易にやるべきじゃない」

アリス「意外と戦争に走る作品って、多いですけどね……」


ユウキ「一連の話が終わった後、これも三人称だが特定のキャラがずっと出ずっぱりだったんだ」

アリス「そのキャラの視点を、三人称で書いているということですね」


ユウキ「正直前の話よりもずっと読みやすいし、面白かった印象を受けたな」

アリス「ふむふむ……。それは一体なぜです?」

ユウキ「一人に焦点を向けているからか、その人物から見た印象や、世界のあり方など細かい実情をしれたからかな?」

アリス「なるほど……。一人の人間から、世界が広がったわけですね」


ユウキ「だから三人称でも出ずっぱりの、作者の目を代替えする役が必要だと思う」

アリス「そう解説すると、視点の固定が大事なのが分かりますね……」

ユウキ「ああ。色んなキャラを活躍させたいのは分かる」

アリス「作者が苦労して、生み出し育てたキャラですからね」


ユウキ「でもそこは我慢して、視点を固定しよう。最低でも3キャラに絞ろう!」

アリス「確かに何度も視点が変わると、読者さんが混乱しそうです」

ユウキ「1話に1人だけにするのでも良い。とにかくスポットライトを意識だ!」

アリス「1つの話で、無理矢理沢山のキャラを使うなってことですね」


・視点が次々変わると、混乱を招く

・一人称でも三人称でも、視点は固定

・視点とは作者の目替わりの事である


ユウキ「まあ、これだけ説明されても、訳は分からんと思う」

アリス「まあ確かに。固定するのは分かりましたけど……」

ユウキ「だから次回は、具体例を挙げなら、もう少し詳しく解説だ!」

アリス「例があるのと、ないのでは分かりやすさが違いますからね」


ユウキ「それじゃあ、みんな! 次回も宜しく!」

アリス「お願いします」

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