第24話 説明するということについて

ユウキ「今回は小説において、説明することについての解説だ!」

アリス「よろしくお願いします」

ユウキ「当たり前だが、小説はすべて文章で理解してもらう必要がある」

アリス「そのために説明が必要なのですね?」


ユウキ「ああ。だがこの説明が悩みの種ともなる」

アリス「細かく長すぎてもダメ、短く簡潔でもダメ。確かに難しいですね」

ユウキ「今回はまず、説明とは何かを紹介していこうと思う」

アリス「説明は説明ですよね?」


ユウキ「例えば姉さん、他人に説明するとき、どう話す」

アリス「相手によりますね。できるだけ専門用語を使わないとか」

ユウキ「それだ。小説については、読者は知識0の人達なんだ」

アリス「それはそうでしょう。自分の頭の中を説明しているのですから」


ユウキ「更に普段説明するとき、相手が飽きないように工夫しないか?」

アリス「あ~、確かに。飽きる前に面白い話題になるよう、話していますね」

ユウキ「小説もそれと同じだと思う。丁寧過ぎると、クドイ説明になる」

アリス「そして読者が飽きてしまうということですね」


ユウキ「こんな風に、小説における地の文は工夫が必要なんだ」

アリス「そう考えると、意外と難しい気がします」

ユウキ「実際地の文は難しい。多すぎても少なすぎてもダメだしな」

アリス「セリフとのバランスをとることが、大事なのですね」


ユウキ「とはいえ意識して、そこまで考えるのも難易度が高い」

アリス「確かに。意識がどっちらけになりますからね」

ユウキ「だから地の文を書く時、まずは以下の3点を気を付けてみよう」


・結果を書く(行動を起こした、言葉を発したなどの)

・なぜ上記の結果になったか、理由を書く

・その時の心情を描写する

・もう一度結果を書いて、読者に印象付ける


ユウキ「まずは騙されたと思って、この順番で書いてみてくれ」

アリス「ん? この順番、似たようなものを見たことがあるような……」

ユウキ「説明するときに有効な、PREP法を小説向けにアレンジしたものだからな」

アリス「結論、説明、具体例、結論で説明するやり方ですね」


ユウキ「まあこう書かれても、難しだろうから、具体例を挙げてみようか」


主人公は剣を引き抜いた。

この場で逃げずに、戦う意思を見せるためだ。

こいつだけは絶対に許さない……。ぶっ潰す!

主人公は強い戦意とともに、剣を鞘から出し切った。


ユウキ「こんな感じかな? 少し適当になってしまったが……」

アリス「でも大体イメージは掴めました」

ユウキ「具体例にあるように、最初と最後は同じ結論だが、言葉遣いは変える」

アリス「全く同じ文章では、手抜き感が出るからですね?」


ユウキ「それもあるけど、より詳細な結果にすることで、印象を強めるんだ」

アリス「ああ……。そんな意図もあったのですね」

ユウキ「まあ、慣れないうちは、深く考える必要はない」

アリス「とりあえずまずは、機械的にこの文章を真似してみましょうか」


ユウキ「今回は説明について、軽く解説した」

アリス「次回は何をテーマにして、解説するのですか?」

ユウキ「説明の続き。もっと具体的な描写の仕方を紹介しよう!」

アリス「描写の仕方ですか。あえて抽象的に書くとか、色々ありそうですね」


ユウキ「それじゃあ、みんな! 次回も宜しく!」

アリス「お願いします」

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