第15話 世界観に入り込む

ユウキ「今回は世界観を作りこむことについて、解説だ!」

アリス「お願いします」

ユウキ「前回解説した、独自文化について、少し掘り下げてみよう!」

アリス「現代とは違う文化を進んだ、世界の事ですね」


ユウキ「ああ。世界観に引き込むには、ここが根底にあると言ってもいい」

アリス「確かに……。替えの利かない世界観を作れますからね」

ユウキ「と言う訳で、さっそく作り方と、特訓方法を紹介だ!」


・-1から考えてみる


ユウキ「小説を書くとき、基本的に0章。つまりプロローグから書くよな?」

アリス「はい。事件の始まりなどを書くところですね」

ユウキ「でも0から考えたのでは、世界観としては不十分だ」

アリス「なぜですか?」


ユウキ「そこに至るまでの過程がないと、どうしても薄っぺらくなる」

アリス「なるほど……。その過程が-1なのですね」

ユウキ「重要なのは、ただ過去を設定すれば言い訳じゃない。本編と地続きすることだ!」

アリス「回想などで済ませられるシーンでは、ダメということですね」


ユウキ「といっても、難しく考える必要はないぞ」

アリス「制約があって、難しそうに感じるのですが……」

ユウキ「いや。その世界で、大きな価値観が変わる瞬間を考えればいいだけだ」

アリス「大きな価値観が変わる瞬間?」


ユウキ「ああ。例えば現実でも、江戸時代と明治時代では、価値観が違うだろ?」

アリス「歴史は苦手ですが、文化の違いはなんとなく分かります」

ユウキ「言い換えれば時代が変わる瞬間ってことだな。まずはそれを考えてみよう」

アリス「なぜ時代が変わる瞬間なのですか?」


ユウキ「簡単だ。大きな価値観こそ、現実でいう文化の違いということだからな」

アリス「ええっと……。意味が分かりません」

ユウキ「例えば日本では銃刀法違反があるが、海外では銃所持が認められる場合があある」

アリス「ああ。確かに双方の文化は違いますね」


ユウキ「これは日本で廃刀令という、価値観の変化が大きいと思う」

アリス「ユウも歴史が苦手だから、あくまで推測ですよね」

ユウキ「このように、独自の文化とは、大きな価値観の違いによってもたらされる」

アリス「なるほど……。しかし、なぜ価値観が変わる瞬間を考えるのですか?」


ユウキ「シナリオ的にも大きな事件として扱える。そのうえ、ここで異なる文化を作れるからだ」

アリス「前者は分かりますが……」

ユウキ「大きな変化が起きた瞬間。あえて現実とは全く違った価値観を取り入れてみよう」


アリス「ふむ。確かにそうすれば、独自の文化を生み出せそうです」

ユウキ「変わる瞬間なのは、その世界の歴史をより深めるためだ」

アリス「大体分かってきました」

ユウキ「後はその価値観の変化が、どういう文化を歩むのか考えるだけ」


アリス「だけと言いますが、それが結構難しいのです」

ユウキ「まあな。だから次回もう少し詳しく解説してみるよ」

アリス「お願いします」


ユウキ「今回は、価値観が変わる瞬間を考える。そのトレーニングを紹介だ!」

アリス「これに特訓法などあるのですか?」

ユウキ「ああ。これは人生の転換期を考えれば、身につくぞ!」

アリス「人生の転換期。つまり、その人が大きく変われた瞬間ですね」


ユウキ「ああ。この時、価値観の変化が訪れているといっても、過言ではない」

アリス「なるほど……。でも私みたいに転換期が訪れていない人は?」

ユウキ「スポーツ選手でも、芸人でも誰でもいい。そういう人たちの転換期を調べてみよう!」

アリス「他人の転換期が、小説を書くのに役立つのですか?」


ユウキ「ああ。価値観が変わる瞬間とは、意外と些細な出来ことだったりする」

アリス「現実の価値観が変わる瞬間を見て、物語に取り込むわけですね」

ユウキ「俺はよく作家のインタビューを見ているが、転換期は突如訪れる」

アリス「現実でも革命は小さなことから、突然起きましたからね」


ユウキ「だから人の価値観が変わる瞬間を、学んでみよう!」

アリス「それが今回の世界観づくりに役立つ、特訓なわけですね」

ユウキ「そういうこと! 少し難しいが、やってみる価値は保証するぜ!」

アリス「ユウの保証では不安ですが、新しい発見ですね」


ユウキ「今回はここまで! 最後まで読んでくれてありがとうな!」

アリス「世界観の話は少し難しいので、少しずつできるようになってくださいね」


ユウキ「それじゃあ、次回もよろしく!」

アリス「お願いします」

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