不死の鬼の少女は世界が滅びても、贄の少女を守ると誓う。

「この世界には、『鬼』が居るのよ」

百目鬼葉月は幼い頃、毎日のように母親にそのように言われた事があるが、彼女自身徐々に成長するにつれて死んだ母親の言葉を忘れていった。
アルバイトの帰り道、葉月は同級生の男子に出会い、言い寄られてしまい断っていたのだが、その時目の前の男子が突然血を口から吹き、倒れたのだ。男子の腹部が真っ赤に染まり、そのまま地面に血液が流れ込んでいく姿を、葉月は目撃する。
目の前に現れた、『異形』の存在に、葉月は何もできなく、このまま死ぬのだろうと思っていた――のだが。

「――彼女に手を出すな」

少女の声が聞こえると同時、鬼はその場に崩れ落ち、消えていく。
目を開けると、そこには小さな少女が大きな刀を持ちながら、『異形』を殺す姿だった。

これは、悲惨な過去を持つ、不死の…続きを読む