確信

第13話 オフ会での事件

時は過ぎ、今日は待ちに待ったかづくんのオフ会。

私には、かづくん推しの友達がいないので、そこに茉音を巻き込むのもいかがと思い、私は一人でオフ会会場まで行く。


「(辿り着けるかな…)」


私は人並な方向音痴で、グルーグマップがないと目的地にたどり着けない。


「えっと…ここを右…ん?左行ったほうが3分早いの?え、どうしよ。でも早いほうが待ち時間は短いかな??ええい、こっち行っちゃえ。」


これが成功な道なのかがわからなくても猪突猛進な性格はあるため、突き進む。


「あ!」


たどり着けた。かづくんのオフ会だ…!うわぁ…緊張するな…よし、行こう。

私は受付を済ませ、本会場へと向かう。


どうやらステージにはまだ、かづくんはいないようだ。

まだ準備中なのであろう。この間に、どんな顔が出てきてもいいように心の準備をしておこう。


数分後。


「皆さん、こんにちはかづです。僕は今、このステージの裏で話しています。そろそろ等身大の僕に会えます。そして僕自身も、僕のファンの方々に直接お会いすることができます。えっと…お。そろそろ時間が来たようです。今から僕はそちらに向かいますね。」


ついに…ついに…かづくんと対面だ!

会場はクリスマスの曲が流れている。

ステージの裏からかづくんが出てきた!


「…え?」


「皆さんこんにちは!かづです!みなさんと直接お会いできてとても嬉しいです!短い時間ですが、今日一日楽しんでいきましょう!」


皆が盛り上がっている中、私が大変混乱していた。

あのかづくんが、まさかの本当に高木奏都だった。


「うそ…でしょ…?」


私はどうしたらいいのかわからず、その場で棒立ちになっていた。

私には周りの黄色い歓声もなにも聞こえなかった。

まるで、今の私はこの世のものではないかのような。突然異世界に飛ばされてしまったんではないのだろうかというこの感情。


「そこにいる女の子、大丈夫?」


私がしばらく棒立ちになっていたからか、高木くんが私に気づいてしまった。

私はなにもできなかった。「大丈夫です」の一言も言えないほどにショックと混乱で頭が回っていなかった。


「スタッフさん、そこにいる女の子を少し裏に来させてください。」


高木くんがそう言うと、スタッフさんは私に、大丈夫ですか?動けますか?などと言っている。私はここでようやく自分の置かれている状況に気づいた。


「あ、えっと…」

「少し裏で休んでいてください。動けますか?」

「え、あ、えっと…う、動けます。」

「私が支えていますので、一緒に裏に行きましょう。」


私はそうスタッフさんに言われ、裏に行くことになってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私が推してるVtuberかづくんに似ている転校生に恋してます 凪@執筆休息中 @_harunohi_143

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ