第11話 男子に弱い柚木vs人生経験過多な茉音

昼食後、高木くんは授業中何も話してこず、何も話さないまま放課後となった。

私が高木くんに話しかけようとしても高木くんはさっさと帰ってしまって声を書けるタイミングを失ってしまった。


私はそのことを茉音に話したく、カフェに誘った。


***


「それで?話って何?」


茉音が頼んだカフェラテを飲みながら言う。


柚木「私ね、茉音に高木くんがかづくんなんじゃないの?って言われてから意識しちゃってね。高木くんのこと…なんかクラスメイトと思えなくなっちゃって…」


茉音「ふぅん?クラスメイトとは思えなくなった…って、つまり?」


柚木「そんなこと言って、茉音はもうこの次に来る言葉わかってるんでしょ?」


茉音「そんなのわかんないじゃん。言ってみてよ。」


茉音は何の悪びれもないような顔をして言う。


柚木「その…好きなのかな…って。」


茉音「そう思う根拠は?」


柚木「私男子に柚木さんって呼ばれたことなかったり、昼食二人きりで食べたり、電話したり…してたらなんか…どんどん私の胸の鼓動が速くなってさ。それで。」


茉音「あー。柚木って引っかかりやすいよねそういうのに。昼食二人きりとか電話はいい感じだなぁって思うけど、名前呼びはあんま珍しくないよ。あんた、弱すぎるんだよ男子の言動に。男子もそうだけど女子も女子でちょろいんだねそういうところ。もうちょっと考えた方がいいよ。」


茉音は、そう言うとポテトを何個か食べだした。

確かに私は男子にそんなこと言われたりされたことないからそういうのに弱いんだろうけど、茉音は違う。茉音は私より断然人生経験が多い。


例えば、中学の時に彼氏ができていたけど、高校が違うから別れたり、思わせぶりをされて結局弄もてあそばれていただけ。その他諸々あるが、そういうのがあり、私の恋愛はこのようにして指摘してくれたりする。


茉音「柚木はかづくんのことが好きなんでしょ?今はかづくんにフォーカスすればいいんじゃない?それでも、やっぱりかづくんと高木くん?が重なって忘れられなくて、オタ活に集中できないようならもう一回私に相談して?」


柚木「わ、わかった…」


本当に、茉音に相談してよかったなと思う。


「なんかまだ頼みたいのある?今日話付き合ってくれたから奢るよ。」

「お!まじ!じゃあ、スイーツ注文しようかな。あ、大丈夫。安いやつ頼むから。」


茉音ってなんでこんなにおもしろいんだろ?「類は友を呼ぶ」ってやつ?

いや、私人生経験多くないわ。類友じゃないか。じゃあなんだ?

「ノット類友」?それはもう友達じゃなくない?

てか私何考えてんの??


とりあえず、まだ様子見、って感じかな…

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