第9話 しっかりしないと。(色んな意味で)<高木くん視点>
「はあ…」
僕はベッドにダイブする。
最近まじで俺危うい行動しかしていない。
あっちには気づかれていないだろうか。いや、気づかれていないことを願いたい。僕は、「かづ」だ。
事務所の人には、バレてしまったときの対処はそれなりにあると聞いている。
だけど、活動者なんだから、バレないように対策をちゃんと練らないといけないんだから事務所ばっか頼っていちゃだめだ。
あーそういえば、明日課題提出があるのを忘れてた。なんの課題だったっけ?
覚えてないや。仕方ない。唯一連絡を持っている柚木さんに聞こう。
プルルル…プルルル…
『もしもし?高木くん?』
「うん、いきなり電話してごめんね。確認したいことがあって」
『なに?』
「明日提出予定の課題ってなんだっけ?」
『ああ、今ちょうどそれやってたとこ。えっとね、数学のワークP.32からP.36の関数分野。』
「やっべ。結構あるね。」
『私はコツコツやる派だから結構終わってるんだ〜!』
「さすが柚木さん。教えてくれてありがとうね。じゃあね。」
『うん。じゃあね!頑張って!』
初めて知った。柚木さんってコツコツやるタイプなんだ。
でもそうだよね。もう一人の俺、かづのことも徐々に徐々に推してくれたもんな。
それが趣味だけじゃなくて、勉学にも出るの、うらやましいな…
ライブ配信って、毎週決まった時間にやるけど、勉強はそうはいかないもんなぁ…
計画的にやれる人、尊敬するわ…
そんなこと言ってないで、さっさと終わらせないと!数学の先生怒ったら絶対怖いから!見た目に反して絶対あれは怖い。…絶対。決めつけは良くないか。
とりあえず、ワーク探しだな。えっと、リュックに入れたはず…ん?ないんだが?棚?…あった。あっぶな。あったわ。
うわあ…全然やってないじゃん。こりゃ、今晩徹夜だな?今週の金曜は特別配信があるってのに…。こんぐらいだったら、周りの音も聞こえないぐらいの集中力で2時間弱といったところかな?まあとりあえず、シャーペンを持って手を動かそうか。
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