第7話 なにそれなにそれ?!?!?!
「姉ちゃん?また寝坊すか?もう姉ちゃんが学校行く5分前なんすけど。
俺は起こしたからね。いつも通り起こしにきたかんね。遅刻して茉音さんに迷惑かかっても知らんぞ。」
起きてる、起きてるんだけど…ね。
特別体調が悪いとかそんなんじゃなくて、昨日の配信で、顔出しが決定したから、
興奮が止まらないのよ。私今日、1時間しか寝てないのよ。
興奮しすぎて手が止まっちゃって昨日はスパチャできなかったぐらいだもの。
「柚木?起きてないの?学校遅刻するんじゃないの?もう茉音ちゃん来てるわよ!茉音ちゃんまで遅刻扱いされたら柚木の責任なんだから、とりあえず下まで降りてらっしゃい!」
わかってますよ…もうどうせなら茉音、一人で行っても構わんよ。こんな私の相手してたら疲れちゃうでしょ。
「まのーん…!!!先行ってて良いよーー」
今出せる大声で下の階にいる茉音にそう告げた。
そしたら、分かったー!と明るい返事が返ってきた。
ああ…まじで申し訳ねえ…こんな私が君みたいな完璧な子の友達でごめんよぉ…
ピロンっ
なんてこった。こんなときに通知か。誰だよ。まず人ですか?
「んふがぁ?!」
この世の者ではないようなそんな声を出してしまった。
もうお気づきであろう。かづくんからの通知だ。でも今日は何の予定もないよね?
私は早速、通知を押す。
『みんなおはよう!今日はなんだか気分がいいから朝から掲示板を更新してみたよ!今日からまた一週間学校やら仕事やらが始まるけど、頑張って!今週は金曜日祝日だよね!今回は特別に、13:00〜15:00までライブ配信をしようと思うよ!場所はいつものところ!みんな僕に会いに来てね!』
はあーーーー
最高だわ、朝から。え?2時間もやるんすか?控えめに言って神かなにかでしょうか?こりゃ、今週頑張らないと罰が当たりますな。
****
「おはよう、小林さん。」
「おはよー高木くん。いきなり話しかけてきてどうしたの?」
「ちょっとお願いがあるんだ。」
高木くんからのお願い?!まだ真実ではないが、仮にかづくんだとしたら、かづくんからのお願いになりますが?!
「なに?」
「僕の友達が、Vtuberしてるんだけど、その友達が今度のライブ配信を拡散してくれって。知ってるかな…「かづ」っていうんだけど…」
これが仮に本人だったらただの宣伝やな。いいぞよ、受けてやるぞ。
「いいよ。私、エースやってるから。」
「エース僕も使ってる!色んなエーチャット見れるよね。色んな人の感想とか近況も見れるし。」
「そうそう!オタクをするにおいて、結構大切なアプリだと思う!」
私は笑顔でそう言うと、高木くんの顔が真剣な顔になり、その瞳は私をじっと見つめている。
「な、なに?」
「いや、やっぱり柚木さんって可愛いよね。」
高木くんはそう言って、この場を離れた。
私は放心状態だった。
「(え、?え?…えーーーー?!?!)」
なにそれなにそれ?!「可愛い」ですって?!なに、その言葉にどういう意味が詰まっているわけ?!ちょちょちょ!いくら推しに似てる高木くんでもこれはキュンキュンしちゃうんだけど?!
しかも初めて、「柚木さん」って呼ばれたし!!!
「小林さん」じゃなかったし!
高木くん!その発言は一体どういう意味なのですか〜〜〜!?!?
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