子供の悩み Cパート

ちょうひるやすみをすまないさんにんとも


 しょだいおんがくしつうつし、たいようかつにそうれいったきよしげつづける。


さんにんかくにんするけど、ようくんほくくんちゃんのこときだよね?」

きよしげさん、プライベートなことは……」


 たい耀ようがそうかえすが、きよしげさらかえす。


「それはかっているし、きみたちろうなかくしてくれていることかんしゃしている。だからこそちゃんのらいみたくないんだよ」

「どうことですか?」

「そっちのたりにもせつめいすると。わたしちゃんの祖母ばあさん、おりさんのいでね。ちゃんをきずけたくないのもるが、おりさんをおこらせたくないんだ」


 きよしげはなしをいて、かつたい耀ようく。


「そうえばくろさわうちって、おれじゅうどうたいかいとかでまえるけど、なにやってんだ?」


 かつがそううと、きよしげことつづける。


「そこらへんはなしはあとにしてくれるかい、たい耀ようくんなっとくしてくれるだろう?」

「……かりました。なにかのゆうで、ようほくなかわるってもこまるし」


 すこかんがえたたい耀ようがそううと、たい耀ようたずねる。


「ねぇようくんほくくんべつとして、たい耀ようくんはどうなの? じょあいだではたまだいがるんだけど」

「おい、!」


 かつにそううと、たい耀ようくびよこう。


ぼくはリタイヤしたんだよ。……そうえばなんかつれてたんです、きよしげさん?」


 たい耀ようがそういてったので、きよしげかつかってせつめいをする。


だいさんしゃはなしもきたいからね。とこカップルだし、ようくんほくくんこいじゃはしないだろうから」

いたかつくん、カップルだって!」


 カップルときよしげわれ、はしゃぐとはたいしょうてきに、かつかおあかくしてかたまっていた。

 そんなかつきよしげう。


「ほらかつくんかのじょよろこんでいるのに、きみずかしいがっていてはかっこうかないぞ。じゅうどうをやっているのだろう、どうがそんなよわちで如何どうする」


 そうわれたかつは、きよしげにテレながらく。


きよしげさんは、なにかやっているんですか?」

「いや。しょうごときだし、むかしヤンチャをしたことったが……とはなれたね、ようくんほくくんはなしにもどそうか?」


 すこずかしそうにそうったきよしげに、かつう。


おれえたギリじゃりませんが、ようくろさわたがいにずかしがってて、イマイチ上手うまってないがします」

たしかに、『てるぶんにはおもしろいんだけど』ってあおいちゃんがってた。さいきんってからほくくんがアプローチししたけど、たい耀ようくんなにってる?」


 にそうわれたたい耀ようは、すここまったかんじてかえす。


「ちょっといろいろってね」

「とことは、ようくんちゃんはりょうおもいなのかい?」


 そうきよしげさんにんくと、はそれをていするためくびよこう。


ちがう、ふたはおたがいきなのにいていのよ。わたしたちおもしろいから、おしえないのがわるいんだけど」

きみがいひどいな」


 そうってクスクスわらったきよしげつづける。


「それじゃぁほくくんほう如何どうだい? いまはなしからすると、ようくんちゃんのげんじょうったうえで、がんってるんだろうけど?」

とうたりいていとおもいます。ほくしん、なるべくようあらそわないようにしてるがしますし」


 かつがそううと、たい耀ようつづけてう。


ほくようあこがれてるからな。アイツのあいちをつたえたいけど、ようにはきらわれたくないんだろう」

ほくくんようくんあこがれてたんだ?

どうりで、なかいのにちゃんにアタックしないわけだ……」


 ことに、かつつづける。


「アイツのたまにる、へんこうどうもそのせいか」

へんて、おまえなぁ」


 かつことたい耀ようがそうかえし、さらつづけてう。


「でもほくくんなら、ちゃんもOKしそうよね?」

「まぁ、ほくこくはくはしそうにいけどね」


 たい耀ようがそうると、きよしげかんがえる。


ほどさいしょたたかったときおれこうげきてられたゆうは、ふたたからか……)

「ありがとうさんにんとも、そろそろわたしかえるとするよ。ればうちあそびにてくれ、もちろんきゃくとして」


 そういながら、きよしげだいおんがくしつあとにする。


  ガシャ

   ブオーン


 ぼうおんとびらひらき、あるきながらきよしげつぐとスセリにねんう。


(「てんまる、スセリ。たしかにあのときしょうじょはツクヨミだ」)

(「そのはなしは、かぜまるからほうこくけました」)


 スセリがそうねんかえすと、きよしげつぐけ、ねんぶんかんがえをせつめいする。


(「てんまるわるいがかんぜんがくねんせいかつどうとくかんへんこうさせてもらう。つぶしてはいないのだから、もんだいるまい?」)

(「そんなくつを……まあい、たしかにほうだけではあじい。とはしょくいんめいわくかんがえてやれ」)

(「ふん、だったらOKなどしなければいだろうに…… すこかんがえがる。ねんくみよしざわ やすぞう使つかうぞ、さがしておいてくれ」)

(「かった」)


 つぐがそうねんかえすと、きよしげねんり、ひだりうでけいおもう。


(さて、かんまで如何どうするか……)



 ★★★★



  ガラ ガラ ガラ


 ひるみのわりごろじょうせんせいろうがわからけんしつのドアをけると、けんしつのレザーソファベンチにすわっているやすける。


如何どうしたの、わるいの?」


  ガラ ガラ ガラ


 りょうが、けんしつそうとうばんではことっているじょうせんせいは、ドアをめ、ちかいてやすにそうたずねた。


「……はい」


 やすがそうへんをしたのでふだかくにんし、じょうせんせいやすさらく。


貴方あなたけんしつことを、クラスだれかがってる?」

「……いいえ」

わたなべせんせいは?」

「…………ってます……」


 やすこたえと、ようがおかしいとかんじたじょうせんせいだったが、すこようことめた。


  キーン コーン カーン コーン


“「しずしょうがっこうせいみなさん、そうかんです。それぞれのたんとうしょで、しっかそうおこないましょう」”


  キーン コーン カーン コーン


 そうかんらせるチャイムとほうそうわり、シンコペイテッド・クロックがこうないのスピーカーからながれてる。


かりました、それじゃねつはかって……」


  プルルルルル

   プルルルルル


 じょうせんせいやすとのかいちゅうないせんでんかってたのでやすう。


「ちょとってて」


  ガチャ


 やすとのかいちゅうだんし、じょうせんせいないせんでんると、でんないよういてじょうせんせいは、やす姿すがたかくにんする。


「……そうことですか、かりました」


  ガチャ


 そうってじゅもどしたじょうせんせいは、やすちかう。


わたなべせんせいかられんらくりました、かんどうとくじゅぎょうへんこうにするそうです。おとこだもの、これぐらいでくじけないわよね?」


 がおじょうせんせい他所よそに、やす項垂うなだれる。



 ★★★★



やく20ぶん ねんくみきょうしつ


  キーン コーン カーン コーン


みんなせきけ。きょうしょらない、このかんかんりをへんこうしてどうとくだ」


 かんかいのチャイムがなかわたなべせんせいクラスせいたちにそうった。


  がやがや


りつれいちゃくせき


 あおいごうれいどもたちりつれいちゃくせきおこない、わたなべせんせいことつづける。


さきほどったとおり、わるいがかんどうとくへんこうする」

せんせいやすやつないけど、どうしたかってる」


 げてそうしつもんするに、わたなべせんせいかえす。


やすすこいがわるいから、すこおくれてるそうだ」


 そうったわたなべせんせいが、ろうほうをやると、やすかいだんちかくのぼうとびらかくれて、きょうしつはいろうか如何どうしようかなやんでいる。

 そんなやすうしろから……


い、それではみおくんにもゆうおよばない」


 きよしげとつぜんあらわれ、やすにそうはなけた。


「ぅわ! おっさん、まだたのかよ?」


 おどろいてそうったやすに、きよしげう。


「おっさんとはひどようだな。それよりさっきのめいみんなにバレたぞ、かなくていのか?」

かってるよ!」


 そうって、かえやすなかかるたたき、きよしげやすおしえる。


つうにんげんずかしがっているだけでは、にんぶんにしてはくれないぞ。がんれよ」


 きよしげはそうわると、ねんいちくみきょうしつときほほんだ。

 いっぽうやすは、ねんくみきょうしつはいり、ぶんせきく。


せんせい、あのかっこうひとだれ?」


 くみじょせい一人ひとりが、きよしげことわたなべせんせいにそうくと、わたなべせんせいせいたちかってう。


きよしげさんのことじゅぎょうわったあとで、ようほくたい耀ようみおにでもいてくれ。それではじゅぎょうはじめるぞ。おまえたちあいうらやましがったことるか、 わたしは、おまえたちおなころには……」


 わたなべせんせいがそんなはなしをしているときかべいちまいへだてたきょうしつでは、てんまるねんきよしげはなしをしていた。


(「そろそろか…… くぞおにまる」)


  スー

   ガタン


  ジャラン


 ねんくみの、ベランダがわのドアとまどすべとつぜんくと、やすつくえうえしゃくじょうおとともに、てんまるあらう。


「またったな、どもたち


 おなころきよしげかいだんぼうとびらかくで、にしたづちごえねがう。


づちよ。われみちびきしものとそれがいものけよ」


 そうしてかべづちたたくと、ねんくみきょうしつきんぞくかべかくされ、さらきょうしつないようほくたい耀ようかおると、やすてんまる、そしてそのほかにんげんの3グループにかくされた。

 ただし、こうげんさんかくためてんじょうは10センチほどすきいている。


「さぁ、おまえなにうらやましい? ちからまわりか。くだしていたものにいれたモノ、うらやんだことなんだ!」


 てんまるがそううと、やすがビビリながらつぶやく。


なにってんだ……」

女子おなごなかくしたいなら、ゆうってはなければい。あのくちちいさなどもでもたとうのに、おとこらしくい……」


 てんまるにそうあおられ、パニックじょうたいやすはんしゃてきかえす。


「そんなんじゃねぇ、おれをアイツいっしょにするな!」


 やすがそうくちばしると、てんまるはクスクスわらい、やすしゃくじょうう。


「その言霊、もらい受けるぞ! じんつうりきらえしおのわらわことよ。うつしものかくに、くさりくさびりてかたしろらん。オン、ヒラヒラケン、ヒラケンノウソワカ……」



 ■■■■



(「みんなだいじょう?」)


 いっぽう、スセリからそうねんけたよう達は、ようがスセリにねんかえす。

 

(「どうなってんだ?」)


 するとスセリはようほくたい耀ようかおるねんう。


(「ぶんおにまるわざでしょう。ちからして、しずめまもりけっかいります」)

(「かったわスセリ」)


 ねんでそうかえすと、汗衫かざみ姿すがたわり、こうしゃないたちにんは、からだひかしずめまもりけっかいそとてんさせられる。


くださいみなさん!」


 しずめまもりけっかいなかがっこうよこだかおかてんしたようたちは、かおることかおるゆびしたほうけた。


ガイスト!」


 おどろき、そうたい耀ようほくつづける。


「どうにかしないと……」

くぜ、ふたとも!」


 ようことあいに、ようほくたい耀ようはポケットからキーホルダーをかかさけぶ。


リュウジャマル!」

ロウオウマル!」

ホウオウマル!」



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