子供の悩み Bパート

「さて、ろう。おまえかのじょしょうかいしなくていのか?」


 ようたちおくったきよしげは、ろうかってそううと、せきめんろうきよしげおこる。


きよしげ!」

「そうおこるな。それに其所そこは、あいづちところだろう。やはりおまえちちおやみたいにはいかんな」


 ほんすこおこっているろうと、そんなろう鹿にしてそうったきよしげに、ほくあんそうにう。


「まぁまぁろうくんきよしげさんも……」


 さらほくは、きょうしつからベランダにるガラスかぎけようとする。


さんにんともちょっとってて、いまガラスかぎけるから」


 ほくときろう富女とめかってそううが、ときいてるまどによじのぼってきょうしつはいり、それをたい耀ようう。


ふしさん。スカートでソレは、おんなとしてはしたないよ」

たしかに、おんなおとこまえですることではいな」


 そうきよしげつづけるが、ときたりかえす。


今日きょうは、ロングスカートだからへいよ」


 ときはそういいると、富女とめほういてく。


貴方あなた如何どうする、そのスカートならだいじょうそうだけど?」

「おい、ときねえちゃん!」


 おころうよこで、うつむいてくびよこった。

 それをときおもう。


(さっきまでのようると、かぜぼうやはこのほんとうっているようね。それでこのほう大人おとなしいかんじか……)


 ときがそんなことかんがえていると、ほくかぎけガラスひらく。


  ガラ ガラ ガラ


 ひらいたぐちから、ろうきょうしつはいると、ふだかくにんしたのちに、ときしょうかいはじめる。


わたしまえに、ぜんこうちょうかいろうくんいっしょしょうかいされたから、ぶんってるわよね。ふし ときってうの、ろうくんとはいなんだけど…… ともだちもんだいいかしら、ろうくん?」


 ときがそうって、ろうはなしをると、ろうがおつくへんかえす。


「オイラもそうおもってるからもんだいねぇよ」


 さらろうつづき、ほくたい耀ようしょうかいはじめる。

 

「ボクはろうくんともだちで、しらいし ほく

ぼく日向ひゅうが たい耀ようおなじくろうともだち


 ほくたい耀ようがそうわると、すこおどろいてろうく。


ろうくんねんせいともだちるんだ?」

すけもそうなんだ。あと、さっきようってにいちゃんも」


 ろうがそうったので、ろうみおことく。


「それじゃ、あのちいさいは?」


 するとたい耀ようう。


「アイツはどうおもってんだろうな、ろうとはいだけど?」

「さっきのは、ボクおなクラスあまいけ みおくん


 さらほくにそうったので、おどろいてかえす。


「あのねんせいだったんだ!」

あとぐらいかしら。それより、どうしてこのクラスたのろうくん?」


 ほほみそうったときに、ろうずかしそうにう。


あたらしいともだちたから、しょうかいしようと……」

きよしげさんは、かのじょことってたんですか?」


 たい耀ようきよしげにそうくと、きよしげこたえる。


「あぁ。じつちゃいろきりに、ろうきょうしつおにあらわれたらしくてね……」


 そのこといたほくたい耀ようときおどろく。

 ときはんのうきよしげは、はなしをえてことつづける。


「もしかして、ろうせんせいからかなかったのかい?」


 するとほくたい耀ようときくびたてる。


いまはんのうると、やはりおれたちかんしているわけではいか……)


 きよしげがそうかんがえていると、ろうきよしげう。


「オイラたちせんせいたちくちめされてたんだよ。どもあんるからって、おまえにもそうったはずだけど?」

「そうだったか? まぁそのことったんで、しんぱいって、はなしをためうちあそびにてもらったんだ」

「まぁみんなていわなくて、あつまったのはにちようだけどな」


 そうったろうことで、ときかいする。


(だからとうきょうにはなかったわけか。かぜぼうやのともだちあつめたゆうからないけど……)


 ときがそんなことかんがえていると、ってからでかろうう。


「コイツがクッキーをこうとかしたときは、みんな流石さすがおどろいたよ」


 それをいたときは、ものすごげんそうなかおをした。


「どうしたときねえちゃん。もしかしてねえちゃん、おおんなつくものだとおもってるタイプか?」


 ろうにそうわれたときは、ほくたい耀ようが、そうにぶんていることおもう。


(しまった……)


 ときは、ぶんちがいなかおをしていたことかいする。

 きよしげしょうたいを、きょうみやこおそったおにるとっていれば、だれもがおづくりのはなで、かおげんそうにするだろう。

 ただしソレは、しょうたいっていればのはなし。

 ろうげんじょうだけせつめいされ、さらげんおんなたのでれば、清州毛こうどうは、しんせきどもためおこなったこうどうとしかかいされないだろう。

 げんほくたい耀ようは、おづくりのはなしに、なんはんのうしめしていない。


ちがうわ。かっこういおにいさんが、おづくりすることかんっただけ」


 ときろうにそうかえすと、きよしげがおときう。


もともとものつくこときらいではいし、うちではつぐろうようで、わたしけているんだ。きみたちりょうしんつだいはしているかい、ろうあまつだってはくれないが」

「そんなことい!」


 きよしげことろうがそうかえすと、ほくつづける。


「ボクは、たまにするぐらいかな?」

わたしも、たまにする」


 がそうつづけると、ときう。


わたしていぶんるわよ。おにいちゃんにおそわってるの」

ふしさん、おにいさんなんてたんだ」


 そうたい耀ようときうと、ときことかえす。


としはなれていて、となりのはたらいてるのよ」

ぼくは、りょうがいつだうようにしてる」


 たい耀ようがそううと、ほくがクスクスわらいながらせつめいする。


たい耀ようくんプラモきだけど、さきだけはようだもんね」

ほくけいことわなくいい!」


 すこげんそうに、そうかえしたたい耀ようは、つづけてきよしげく。


「それより、ぼくたちはなしたいなんてきよしげさん、どうことですか?」

「それは、とこうのはどもからおとしりまでやってる。わたしたちきほんてきに、おきゃくさんとかいをしながらかみるんだけど、テレビやしんぶんざっだけだとじょうほうかたよるんだよ。きみたちだって、っているはなしのほうかいやすいだろう?」

「なるほど。どものおきゃくときの、じょうほうしゅうしゅうってことですか?」


 そうって、たい耀ようきよしげせつめいなっとくすると、きよしげほほみ、どもたちう。


「そうことろうくんみおくんもそうだけど、きみたちこのがっこうだとつからね。そこで……」


 そこまでったきよしげは、ろうがわきょうしつかべかくかくれていた、ねんせいどもたりちかく。

 かくれてたのは、くみ 結花ゆかと、がっしりしたたいかくおおがらいちくみしょうねんとう かつ

 そしてきよしげは、ゆかかつたずねる。


わるいけど、きみたちにもきたいんだ。いかな?」


 そうわれたかつは、しきう。


「やば!」

「ごめんなさい!」

おこってはいない、められたことではいが…… きみたちだろうせんせいれててくれたの、るならはいってくればかったのに?」


 そうとしたたりきよしげがそううと、かえす。


「そうわれても……」


 かつことうなずくと、きよしげすこなやんだりをしてからう。


たしかに、あのじょうきょうじゃはいづらいか。それでさっきのはなだけど、すこはなしをかせてくれないか?」


 そうわってきよしげは、たい耀ようほうたい耀ようたずねる。


たい耀ようくんも」

「もしかして、ぼくだけですか?」


 たい耀ようがそうかえすと、きよしげほくけてう。


わるいけど、ほかはごえんりょいただこうか」



 ★★★★



「なぁたりともやすひねくれたげんいんに、こころたりいか?」


 いっぽうねんくみとなりのきょうしつ

 わたなべせんせいは、ようみおにそういてた。


かるわけねぇだろ、そんなもん」


 ようはそうい、みおくびよこった。

 わたなべせんせいたりはんのうて、ことつづける。


「そうだよなぁ…… やすはテストがると、あんなかんじなのか?」

いっしょによくあそぶけど、さんねんときクラスちがうから、かんねぇ。ぶんあたまわるいってってたがすっけど……」

「……さんねんときいっしょだったけど、はじめてがする」


 ようみおがそうかえしたので、わたなべせんせいかんがえる。


もともと、テストのてんにするではことかった。ようとはなかいのはてればかるし、みおはなしから、こんかいはじめてなのもかいした。じゃぁねんせいってから、なにったてことだが……)

からん」


 そうつぶやいたわたなべせんせいに、ようう。


せんせいかんがえてわかかんねぇならっていい?」

「ちょっとよう。おまえたちともだちをイジメたくなるときってどんなときだ?」

「ひでぇなせんせいおれたちことそんなふうおもってたのかよ?」


 ようにそうかえされ、わたなべせんせいぶんしつげんあやまる。


わるい、せんせいかたわるかった。……おまえたちともだちうらやましがるときは、どんなときだ?」

なんだよ、それ?」


 ようそうにそうかえすと、わたなべせんせいう。


なんでもいから、おしえてくれ」

ほくみたいに、す…… もうすこべんきょうたらいなとはおもう、やるきねぇけど」


 すこかしそうにそうったようたいし、みおしきつぶやく。


「へぇぇぇ」

なんだよ?」


 そうかえしたように、うつむきながらみおかえす。


「すごいなって……」

なにがだよ」


 さらにそうかえようだが、 みおうつむいたままでへんかえさない。


「たく、ほんとうくらいなおまえ。もうすこしはっきりしゃべれよ」


 ようにそうわれたみおだが、へんかえようい。


みおようとおりだぞ。もうすこしはっきりとしゃべりなさい」


 わたなべせんせいもそうつづけ、 みおすこかんがくびよこう。


「……ぼくかつぜつわるいし、よくかむからいや。しんない」

たい耀ようふしとちょくちょくはなせてて、しんないっておまえなぁ」


 そうようみおうと、わたなべせんせいようく。


ようみおってずっとこんなかんじなのか?」

いちねんときはもうすこあかるかったもしなくはねぇけど、いまとあんましわんねぇかな。グループめじゃぶんかられてとえねぇから、さいまでオロオロしてるし」

なんだよ!」


 みおようことおこるが、ようはそんなみおかまわずかえす。


おこんならキチンとかえしたらどうだみお。まぁふし春日かすがすこしははなようったから、すこマシになったかもんねえけど」

ようみおてそんなにともだちないのか?」


 はなしをいたわたなべせんせいようにそうくと、みおうつむつぶやく。


「ヒドい……」


 さらみおことようつづける。


わたなべせんせい流石さすがにソレはひどいんじゃねぇの?  とくべつなかやつはいねぇけど、オレややす、カバとイタズラしてあそんだことるし、じょれんちゅうあそんでたのもことる。コイツはぶんからあそびにさそわないだけ」


 ようにそうようされ、みおすこうれしそう。

 わたなべせんせいは、もうわけなさそうにふたかってう。


まない。ほんとうこんける」


 そうわったあとわたなべせんせいかおふたく。


「てことは、みおやすなかわるくないとことか…… ようみおやすさいきんにしているようことかるか?」


 するとようう。


かるわけ…… ……そうえばさいきん、オレやほくたちはなしてたり、ミオッチがふし春日かすがはなしてると、よくあおってようってめんどうくさいんだけど、それはかんけいる?」


(…… …… ……もしかして)


 わたなべせんせいは、ようことであることおもし、ようたずねる。


いまのでなんとなくかった、つぅかおもした。なぁようやすくろさわふし春日かすがみたいなタイプのおんなともだちはいるか?」

「サッカーとかするやつはいるけど、ふし春日かすがみたいなタイプはいなかったはずだけど?」


 ようがそうかえすと、みおうなずく。


「そりゃあおりたくもなるか……」


 わたなべせんせいがそうつぶやくと、ようみおわたなべせんせいしつもんをする。


「どうことだよせんせい?」

せんせい?」

みんなみんな、おまえたちみたいなことないってことだろうなぁ……」


 そうったわたなべせんせいに、ようみおあたまかしげた。



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