子供達のそれぞれ

 てんまるこうないほうそうわったころろうねんいちくみおにまるあらわれていた。


「「キャァー」」

((!))


 めいげたりごんおどろどもたち他所よそに、ろうおにまるねんう。


(「如何どうことおにまる、こんなことさくせんにはかったはずだが?」)

(「わるいが、これはおれじんてきじっけんだ……」)


 そうねんかえしたおにまるは、ねんいちくみたんにんじょせいせんせいちかくにてんし、せんせいうなじあたまかるしゅとうこうげきくわえ、ぜつさせたあとひとじちって、どもたちかたける。


さままもるべき大人おとなない、さて如何どうする?」


  ガタン

   ドパン


 ろうあわててつくえあしがり、おにまるかおけてりをおこなうがかわされてしまう。

 かわされたろうは、こうげきうしまわりにへんこうするが、ひるがえしたおにまるかたあしつかまれ、ちゅうじょうたいにされてしまった。


(「流石さすがしんちからいちふういんされたうえで、げんしてとはおそる」)


 そうろうねんったおにまるに、ろうねんかえす。


(「なにたくらんでいる?」)

(「じっけんったはずだ。てんまるからいたが、このむすめをイジメたとぞう何奴どいつだ? こたえなければ、むすめしょういたってもらうが?」)

(「……耕輔こうすけなら、きょうつくえちかくにやつだ」)


 ろうねんでそうわれ、おにまる耕輔こうすけほういちべつし、ふだかくにんする。


(「やはりおんなにはあまようだな」)

(「うるさい!」)


 おにまるろうねんかいをしていると、ろうほうからちゃいろきりようなモノがひろがってた。

 それにいたどもたちがビクいていると、ほうそうしつかっていたわたなべせんせいはらせんせいおにまる姿すがたけ、はらせんせいどもたちに、わたなべせんせいおにまるかってう。


みんなせんせいたちたからにはもうだいじょう!」

「おいけモノ、どもからはなせ!」


 そうわれたおにまるは、わたなべせんせいほうかおかえす。


おれおにまるだ。それといのか、コイツはあたまからぶつかるぞ?」

「くそ、如何どうしたら…… すみませんがはらせんせいは、ほうそうしつってげんじょうかくにんをおねがいします。たらまどとドアをけるようほうそうを!」


 わたなべせんせいがそうったので、はらせんせいかえす。


わたなべせんせい如何どうするつもりです? まずはたりであのを……――」


 しかしそのことは、わたなべせんせいことで、ちゅうさえぎられる。


ろうほうわたしなんとかします、ですからはらせんせいは、このちゃいろきりみたいなモノがじゅうまんしないようこうないほうそうをおねがいします。ぶんほかせんせいうごけませんし、ねんせいたち何時いつまでじっとしてくれてるか……」


 そうわれたはらせんせいなっとくし、わたなべせんせいう。


「……かりました、でもしたらごとわりにやってあげますよ」

はらせんせいも、まだてんまるるかもしれません。じゅうぶんけて」


 はらせんせいわたなべせんせいにそうわれると、きをほうそうしつのドアをけてなかはいってく。


  カシャン キゥゥゥゥ


(さて、あぁはったモノのこれから如何どうする……)


 わたなべせんせいがそうかんがえながらおにまるいっちかくと、おにまるちかくのつくえうえる。


  ダタン


「それじょううごくなよにんげん、このままおれはなしたらこのガキはそこそこのおおだ。おまえからでは、つくえじゃたすけることま……――」


 そしておにまるわたなべせんせいにそうはなをしていると、ろうおにまるはなしをさえぎおにまるさけぶ。


調ちょうるな!」


 ろうはそういながら、つかまれていないほうあしで、おにまるぶんあしつかんでいるうでげた。

 そのしょうげきおにまるろうかたあしはなすと、ろうたいせいととのえながらあしからゆかちゃくする。

 ちょくろうおにまるにらむと、おにまるろうう。


「そのきらいではない。しかしおれもとめているモノはでは……」


 おにまるしゃべっているさいちゅう何処どこからかチョークがけられる。


  カコン


 げられたチョークはおにまるあたまたり、ろうおにまるがチョークのげられたほうけると、耕輔こうすけにチョークをっていた。


鹿なにやってんだ!」


 ろう耕輔こうすけにそうっておこるが、耕輔こうすけおこかえす。


鹿はおまえだ、はやげろ!」


 そのことあとおにまるけてこんべつところから、ふでばこげられとうたる。


  ガコ ガシャン


 こんげたはんにんすけ

 すけろうう。


ろうはやげろ!」

「おまえたちあぶないからめろ!」


 わたなべせんせいおどろいたかおをしながら耕輔こうすけすけり、だんたりげるようわれたろうおにまるからはなれた。

 おにまるは、ふでばこげたどもすけだとかくにんしたあとかんがえる。


(このぞうたしすけとかかぜまるともだちだったか? ふたともよくもまぁ、がんっておれものげられたモノだ。こうすけほうはなしにいたのとちがようだが……)


 そこまでかんがえて、おにまるはあることく。

 いや、せいかくにはおもし、そしてわらう。


「フフフ、フハハハハハハハ」


 ちょうそのころきょうしつのスピーカーからはらせんせいこえこえてる。


“「わたしねんいちくみたんにんはらです。みなさん、ちゃいろきりようなモノのじゅうまんふせためきょうしつまどとドアをけてください!」”


 このほうそういたおにまるわらうのをめ、ろうよこてんすると富女とめかいほうこんきょうしつちゅうしんつくえうえてんをしてしゃべす。


「そろそろしおどきだ」


 そうったおにまるは、わたなべせんせいほういてことつづける。


かっこうけたのに、なにずにざんねんだったな」


 さらこんこうすけほうき、ちゅうこくをする。


「おまえはもうすこし、なおったほうい」


 さいろうけてう。


いさみしものおう おにまるどもたちよ、また何所どこかでおう」


 そしておにまる姿すがたす。

 それとどうに、ろうおにまるねんはなける。


(「おにまるさまなにかんがえている?」)

(「ちゅうこくだ。ほんとうあくとうにはものげるなと、ともだちおしえてやれ」)

(「ふざけるな」)

(「フフフ、そうおこるな。しばらくは大人おとなしくすることちかってやる。それと今日きょうびもふくめてちゃでもようしといてやるから、明日あしたにでもおまえたすけようとしたたりと、おまえかのじょいえれてい」)

(「さますこたのしそうだな?」)

(「そうかんじるのなら。やはりさまおれちがって、きっすいかみなのだろうな」)



 ★★★★



 ときすこもどり、きょうしつしたようほく如何どうしたかとうと。


さまひとか?」


 てんまるあらわれたのをかくにんしたようほくは、あわててかいだんりて、かいだんちかくのぼうとびらかくかくれ、ごえかいをする。


「どうするほく

「うぅぅぅん、いまてんまるたたかってもクラスみんなひとじちにされそうだしなぁ」


 そんなたりあしもとに、ちゃいろきりようなモノがひろがってた。


なんだコレ?」

「とにかくかいこう。ぶんひとるのはしょくいんしつこうちょうしつだけだから、臣器おみきすにはいとおもう」


 ほくがそうていあんし、ようへんかえす。


かった」


 ようほくは、さらかいだんかいにやってると、ひとちかくにないことかくにんしたあとひろまどけ、ようリュウジャマルほくロウオウマルがたす。


い、リュウジャマル

「おいで、ロウオウマル


 リュウジャマルロウオウマルようたちまえあられると、ようほくく。


「で、どうするよ?」

「まずはこのきりみたいなのをどうにかしたほういんじゃない? てんまるつくがみはなしをしてたし」

「しかたねぇ、てんまるほうたい耀ようまかせっか。それにしても、どうやってこうげきするんだよ」


 そうってようあたまかしげると、ほくう。


「このきりみたいのがつくがみとはかぎらないよ。きりみたいのをのうりょくるのかもしれないし」

「つってもちがうかもしんねぇし……」


 かんがえだすようは、るアイディアをおもほくはなす。


ほくおれかんがえがる。とにかくこのきりみたいなもんはおれまかせて、おまえはもしものためこうしゃないつくがみないかさがしてくれ」

「どうする?」


 おもいそうかえほくに、ようこたえる。


「こうすんのさ! リュウジャマルものこわさないようげんはしろよ。りんてん!」


  ブオーン


 ようめいれいリュウジャマルしたかぜうずは、ちゃいろきりようなモノをんでく。


「よし、そのまままどからそとながしちまえ」


 そうようリュウジャマルめいれいすると、ちゃいろきりようなモノのいちが、りんてんかぜともそとかってながれてった。

 そのようていたほくは、なっとくしたうえでようく。


「なるほど。でもぶんこうしゃぜんたいひろがってるよだいじょう?」

「んなことってもやるしかねぇだろ。あんまりちからつよいとまどガラスっちまいそうだし」

「それじゃぁ、べつべつこうしゃまわろう。ぐうぜんロウオウマルたちったことにして」

「……それしかねぇか」


 たりがそうってこんこうどうめると、スピーカーからこうないほうそうながれてる。


“「わたしねんいちくみたんにんの……」”


 それをいたようう。


きょうしつまどいてんなら、かぜすだけでさそうだな」


 するとほくていあんをする。


ようくんねんせいクラスからおねがい。ボクはしょくいんしつからまわってみるよ」

かった。ほくあしもとけろよ、くぞリュウジャマル!」



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