昼休みと放課後

 いっぽうで、ねんくみにやってころちかくのこうしつほくかおるが、ロウオウマルあたらしいわざいてはなっていた。


えんほうしゃ?」


 ほくかおることがりそうかえすと、かおるほくかたらロウオウマルせつめいはじめる。

 おみほんてきに、どもたちがっこうかんそとていさつをしているのだが、ロウオウマルかおるはなしがるからと、ほくさいしょうかんされていた。


「そうです。昨日きのうさんとかんがえたのですが、ロウオウマルちからならるんじゃないかとおもいまして」


 ほくはそうわれかおるかえす。


やくつの?」

こうげきほうほうしゅるいおおくて、こまことはないとおもいます。それに上手うまけば、ぼうぎょにもようますし」


 かおるにそうかえされ、ほくすこかんがえたあとう。


かったけど、如何どうすればいのさ?」

ものうのはげんものているらしいのです。さらいろいろげんあつまるとぶんり、ぶんあつまるとせいぶつふくいろいろなモノがたんじょうします。ココまではいですか?」


 そうかおるせつめいされたほくだが、むずかしいかおかえす。


「ゴメン、イマイチかいつらいや……」


 そうわれたかおるは、すこかんがほくく。


「そうですねぇ、ほくくんりょうってやったことりますか?」

「カレーとかチャーハンぐらいならつくれるよ」

「それならカレーのざいりょうげんで、たカレーがぶんだとおもってください。ただしものすごちいさいですが。げんどうとくていわせのうえで、がいからちからわるとくっいてぶんります。カレーでうとりょうたいがコレにたるでしょうか? ロウオウマルたたかときつくきんぞくぶんりょうげんせいせいしてみずからのちからぶんけつごうさらりょうぶんけつごうしたものだとおもいます」


 かおるせつめいに、かったようからないようぶんほくは、ロウオウマルほういてはなける。


「おまえじつすごことしてたんだ。ボクはかりそうでからないよ」


 ほくにそうわれたロウオウマルは、むねかる尻尾しっぽった。


「それではえんほうしゃはなしをもどしますが、いですか?」


 そうったかおるに、ほくもんかえす。


「ねぇ。ロウオウマルぜんやってくれるのに、ボクがかいするひつようるの?」

りますとも。いくらロウオウマルがやってくれるとはえ、ないことませんし。やることによっては、もしかしたらさんにけんおよのうせいります。ぶんほうほうをあるていっていることも、けんけるためにはじゅうようことだとおもいます」


 かおるにそうわれ、ほくすこかんがえてうなずう。


かったよ。それでどうすれば、えんほうしゃるの?」

くうちゅうなかにはさんぶんう、さんげんくっいたものそんざいします。これはせいぶつきるためさいていげんひつようものなのですが、そのさんげんロウオウマルせいせいしたあと、アルミのげんせいせいしこのふたつをきょうせいてきにくっけてアルミのほうやします。きんぞくちゅうせいせいるのなら、アルミをやすけつごうエネルギーはせるはずです」

「アルミって、ぎんがみいちえんだまことだよね?」


 ほくかおるにそうくと、かおるこたえる。


せいかくには、アルミはくはアルミだけでているわけではりませんが、まぁそのイメージでもんだいないでしょう。ほくくんにソロバンじゅくければ、ほうためしたいところですが……」


 すこかたとしそうったかおるに、ほくう。


明日あしたやすみだし、ていはいらなかったらってあげるよ。……しょはどうしようかなぁ?」

「そうですねぇ、あぶないですしスセリにたのんで、河川かせんしきでやりましょうか?」


 かおるのこのことに、ほくすここまったかおかえす。


「でもそれ、ちゃんにめいわくけるんじゃ?」

ほんとうにそうおもってます?」


 そうってかおるに、ほくこまったかおをしてかんがえる。


けてくれるといんだけど……)


 

 ★★★★



りつわたなべせんせいさようなら」

「「わたなべせんせい、さようなら」」


 あおいごうれいで、ねんくみせいたちは、わたなべせんせいかえりの挨拶あいさつをした。


「はい、さようなら」


 わたなべせんせいあいさつかえすと、どもたちおのおのこうどうはじめる。


「ねぇちゃん、明日あしたようとかる?」


 ほくにそうかれたう。


べついけど?」

「それなら明日あした、ボクってくれない?」


 ほくこうどうていたやすは、ほくをからかうようたずねる。


「おい、デートのさそいかよ。ヒュウ、ヒュウ」

「こらやすともだちをからかうんじゃない!」


 わたなべせんせいおこってそううと、かおるつづけてう。


「そうですよ。いくらぶんさそあいがいないからとって、にんをからかうのはいけません」

なんだとかおる、ケンカってんの……!」


 かおるおこやすを、たい耀ようがやってめにしてめた。


めろやすかおるとおりだろう」


 たい耀ようことあとようほくはなしにはいってる。


「おまえなにはなしだ?」


 するとかおるようう。


「でしたら、いっしょにどうですかようくん?」

「えっ!」


 かおることほくおどろきのことらす。

 それをいたかおるは、ほくちかいてみみちをする。


わたしたりともともだちだとおもっていますので……」


  ピーン ポーン パーン ポーン


 そんなときこうないほうそうながれてた。

 スピーカーからながれてこえは、なんと天狗丸てんぐまるのモノ。


“「しずしょうがっこうせいしょくんわしてんまるこうないおにまるつくった、ココアふんまつつくがみはなったのでけるがいい。じょうてんまるからのほうそうでした」”


  ポーン パーン ポーン ピーン


((?))


 ほうそういたせいせんせいたちは、みんなあたまかしげた。

 そしてだいなんにんかがことじゅうだいさにく。


くみほうだいじょう?」


 そうってくみにやってときけて、はらせんせいくみにやってた。


「こらふしかっうごくんじゃない!」


 ときおこはらせんせいかって、ときもうわけなさそうにあやまる。


「ゴメンなさいはらせんせいわたしくみほうなかおおくてつい……」


 ときがそうわると、はらせんせいわたなべせんせいに、ときみおめぐみちかいてく。


ときちゃん、どうしよう?」


 みおがそうときくと、ときめぐみほうはなす。


「とにかく、まどとドアをけて何時いつでもげられるようにしておきましょう。ココアのつくがみなんて、からだわるいにまってるし」

ときつくがみってなに?」


 そうめぐみかれ、ときせつめいをしようとすると、かおるはなしにってはいせつめいする。


つくがみうのはですね、ものこころ宿やどったようかいで、からかさなんかがかくてきゆうめいです」


 そのいっぽうはらせんせいぶんクラスもどり、わたなべせんせいときこといてきょうしつまどとドアをすべはなったあとどもたちすこおこった調ちょうす。


「いいかおまえたちせんせいはらせんせいほうそうしつようる。そのあいだにもしココアのつくがみあらわれたらげろ、ただしかいだんあぶないから、るだけこのかいまわってくれ。いいな」


 しかしどもたちからのへんい。そのためわたなべせんせいはもういちちからづよどもたちう。


へんは!」


 わたなべせんせいはくされ、どもたちおどろいてへんかえす。


「「はい」」

「よろしい。それとつよぎてわるかった、すこっててくれ」


 そうわるとわたなべせんせいは、ろうっていたはらせんせいともに、したかいほうそうしつへとかってった。


わたなべせんせいだいじょうかな?」


 あんそうにそうったがらに、あおいゆうけるためう。


だいじょうよ、そのうちあのロボットたちたすけにてくれるわ」


 そのこといたようほくたい耀ようは、ランドセルからおみのキーホルダーをはずしおたがいをかくにんようしゃべす。

 さんにんはどうにか、きょうしつ臣器おみきたちぼうとかんがえていた。


おれろくねんきょうしつようてくるわ」


 そうってようきょうしつからしてくと、それにつづいてほくう。


ようくんかっうごいちゃダメだって!」


 ほくはそううと、ようつづいてきょうしつく。

 さいたい耀ようおなしゅほうきょうしつそうとするが……


「おいたりともかっに……――」


 しかしたい耀ようこえを、とつぜんまえあらわれたてんまるこえさえぎる。


何処どこぞう?」


 まえあられたてんまるに、たい耀ようおどろきたじろいでいると、てんまるたい耀ようく。


さまひとか?」


 そうったてんまるたい耀ようたいする。


なんようてんまる!」


 たい耀ようにそうわれ、てんまるんでそのいっ退き、しゃくじょうたい耀ようけた。


  ジャリン


「そんなモノまっている。さまきょうあたえにたのだ」


 てんまるがそうっているあいだに、ろうほうからちゃいろきりようなモノが、きょうしつないひろがってた。

 ときは、かおるあわてたようかくにんするとかんがえる。


(あのたりようからして、オモイカネはけっかいなにかにふうじられているみたいね。てんまるたい耀ようたりぶんだんしたとことは、スセリはあのちゃいろきりみたいなモノはようたちまかせるつもりか? ……でもがっこうでやるが)

 

 そうかんがえていたときは、あることみおねんはなす。


(「いてみおぶんスセリはわたしたちしょうたいさがっている」)

(「どうことときちゃん?」)


 みおがそうねんかえすと、ときすこいてみおねんたずねる。


(「みお貴方あなたはこのじょうきょう如何どうしたい?」)


 いっぽうたい耀よううごけないでいた。

 かえるちからってはいないし、げるにしてもクラスなかあやしくおもわれかねない。

 そんなときみおがこっそりきょうしつからようとしててんまるかる。


ぞう何所どこく?」


 てんまるみおかってそううと、せんれたしゅんかんたい耀ようてんまるしゃくじょうりょうつかみ、みおってう。


みおだれたすけを!」


 みおはそのままきょうしつき、かいだんちかくのぼうとびらかくかくれた。


ひとに、わし如何どうにかるとはおもわんがな」


 そうっててんまるしゃくじょうり、たい耀ようばす。

 たい耀ようちかくのつくえにぶつかりそうになるが、ときたすけられる。


だいじょう?」

「ありがとう、ふしさん」


 そうたい耀ようときにおれいったあとときてんまるう。

 きょうしつそとる、みおこえるように。


ひとだって、てんつかもらないわよ」

(「ねぇ、みお?」)


 ときからそうねんおくられたみおは、ポケットにれていたキーホルダーをし、はいめんにカタカナできざまれたじゅもんごえとなえる。


「トゥ、エゴゥ、インヴァラスウス、ルクス」


 するとみお姿すがたちょうわり、ちょうマルがたじょうたいで、ねんくみなかす。


「ヒョー」


 ごえともに、とつぜんきょうしつあらわれたマルに、きょうしつときがいぜんいんごえほうおどろく。


((!))

「……そうか、くだん臣器おみき


 てんまるがそううと、ろうほうからどもたかこえこえてる。


「ねぇ、おちゅう?」


 こえあるじる、ちょうほういたてんまるちょうく。


さまれいむすめか……」

何処どこかでけたがするが……)


 すこしそうかんがえたてんまるは、しゃくじょうちょうけ、ちょうへんたずにつづける。


わしことだまで、さましょうたいあばいてくれようぞ。オン、ヒラヒラケン……」


 てんまるじゅもんとなすと、ときみおマルねんおくる。


「(みおはそのままで、マルみおまえに!」 )

「……ヒラケンノウソワカ!」


 マルうごきのほうてんまるじゅもんとなわるよりはやく、てんまることだまちからは、マルかがみちからかえされた。


  ピキ ピキ パキン


 そのけってんまるしろつばさり、かおであったてんめんくだけてサルタのがおあらわると、おどろいたサルタはうでかおかくし、そのからてんして姿すがたす。


こわかった……)


 そうおもいながら、ちょうマルきしめう。


「ありがとうマル

「ヒョー」


 そのときこうないほうそうながれる。


“「わたしねんいちくみたんにんの……」”


 こうないほうそうきながら、みおときねんく。


(「なににもなかった……」)

(「かっただけでもてきよ。いまてんはスセリにかんかれるのうせいる、何処どこかでかくれてもと姿すがたもどりなさい。ぶんスセリは此方こちらかんはしていないはずだから」)

(「かった」)


 そうときねんかえし、そのからはなれようとするちょうたい耀ようめる。


て、ちょう!」

「ゴメン、いそいでるんだ。それとにちようはゴメンね」


 ちょうたい耀ようにそうあやまって、そのからはなれてく。

 そしておうとしたたい耀ようを、ときめてう。


たい耀ようくんって、まだちかくにアイツがるかもれないから、うごいちゃよ!」



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