発見、付喪神

(「ほどかりました……」)


 ねんせいきょうしつを、かくれてそとからかんしていたスセリは、サルタからのねんりそうねんかえした。

 スセリはサルタからのねんかんがえる。


かっこうちかい、どもきょうしつさがってはみたけど、サルタのはなしがほんとうなら、こっちはあしだったようね。とはえ、わたしかんがえていたじょうしゅうかくった)


みんなリュウジャマルたすけにた!」


 こうない……

 せいかくにはねんくみきょうしつから、スセリのみみようこえこえてた。


みんなじろ。リュウジャマルりんてんちゃいろきりそとせ!」

「キュゥゥー」


 ようことあいリュウジャマルき、リュウジャマルごえともきょうしつないかぜこる。


  ブオーン


 ひらいたまどから、ちゃいろきりようなモノがそとほうしゅつされるのをかくにんしたスセリはおもう。


(へぇ、りんてんつくがみしたきりそとすなんて。ほんにんかんがえたのかほくか、おもったよりはやかいけつしたことかんがえると、せいちょうしているのでしょうね……)


 おくしょうどうしたスセリは、クスクスわらいながらきりようなモノをしているつくがみねんおくる。


(「しおどきつくがみルック。グラウンドにきょだいしてたたかいなさい! なるべくようたちかるようにね」)


 ねんったつくがみおおごえさけぶ。


「アンタレース!」


 つくがみルックはスセリのわれたとおり、ようたちさんにんけてもらうためうごす。


 ガラ ガラ ガラ

  ピョン 

   ゴロ ゴロ ゴロ


 かくれてしょくいんしつりょううでけ、だなりると、からだころがしながらつくがみルックはどうはじめた。

 そのほくロウオウマルしょくいんしつ宿しゅくちょくしつさがすが、つくがみルックはからい。

 ほくロウオウマルは、いっかいていしつかうためだいいちおんがくしつまえかいだんどう

 さんかいさんねんせいきょうしつかうために、かいだんがってようリュウジャマルくわす。


ほくつくがみかったか?」

しょくいんしつ宿しゅくちょくしつにはなかったよ、こんは……」


  コトン


 そうけたほくあしに、なにかがたった。


なんだコレ?」


 げたほくと、それをていたようつくがみルックだとく。


((!))


 ゆうは、えんちゅうじょうびんぼうにんげんようあしが、ふたぼうにんげんよううでいていたため


「アンタレース」


 つくがみルックはそうさけぶと、ようしんからだにをけ、クルクルまわしてからだふたけると、ぶんしたふたゆかてる。

 するとびんなかからきりじょうふんまつ姿すがたあらわし、かいひろほうげてった。


「……、て!」

「……、って!」


 おどろいてようほくわれかえり、ようはそのまま、ほくっていたびんかいだんにそっといてから、きりじょうふんまつつくがみルックをけてく。

 かいひろに、ようほくとうちゃくしたのをかくにんしたつくがみルックは、ようけたまどからグラウンドにこうしゃこうしゃがいされただよっていたちゃいろきりようなモノをしんきゅうしゅう

 きょだいする。


「「きゃぁぁぁ!」」


 きょだい化したつくがみルックは、きりきょじんよう姿すがたり、それをせいせんせいたちめいげた。


「うわぁ!!」


 リュウジャマルともにベランダにおどろように、おなじくロウオウマルともにベランダにほくう。


ようくんりゅうじゃまるかぜでアイツのうごきをめて!」

けっかいはどうするんだよ!」


 ほくことようがそうかえすと、ほくせつめいする。


いまじょうきょうじゃ、たぶんちゃんがきょうしつからはなれるのはムリだよ。とにかくいまつくがみうごきをめよう、ちゃんのほうはボクがなんとかするから!」

「……かった。リュウジャマルくぞ!」


 そういながら、ようおみのキーホルダーをかかげた。

 するといちじんかぜけ、こうしゃないからようリュウジャマルえ。

 グラウンドにきょだいじょうたいリュウジャマル姿すがたあらわす。


 すこしずつこうしゃちかつくがみルックに、ようリュウジャマルなかからう。


「おい、きりろう!」

(とにかく、ほくとおりコイツのうごきをめねぇと)


 そうようかんがえていると、つくがみルックはようこえはんのうし、リュウジャマルけてゆっくりとちかいてる。


リュウジャマルりんてんでアイツをめるぞ! きょうしつまどガラスにはけろよ」

「キュゥゥー」


 ようめいれいしょうだくしたリュウジャマルくと、ようう。


リュウジャマルきりきょじんりんてん!」


  ブオーン 


 リュウジャマルしたかぜながれはグラウンドをおおい、ぼうふうとなってつくがみルックとリュウジャマルめた。


「コレでからうごけねぇだろ、やしかったらかかってな」



 ■■■■



  ガゴン ガゴン ガゴン


 きょうしつそとていたたい耀ようかおるみおにんときは、ロウオウマルあしおとほくちかいてことく。

 そしてときちかくにはめぐみる。


ロウオウマルあんしんし。てんまるげてった」


 たい耀ようすこおおきなこえうと、ほく廊下ろうかかくからあられてう。


かった、どうやってはらったの?」

「それよりおまえなんロウオウマルいっしょるんだ?」


 しかしたい耀ようは、みおたちあやしまれないようにそうかえし、ほくあわこたえる。


ぐうぜんったんだ。きょうしつぐ、こえてんまるきょうしつるのかったから、はらってもらおうとおもってあんないしてきたんだけど……」


 するとときが、すこうれしそうにほくう。


「あのてんなら、はくぎんかみおんなはらったわよ」

ちょうあらわれ……――」


 さらたい耀ようが、つづけてそくせつめいをしようとするが……

 ロウオウマルいたわたなべせんせいが、きょうしつからロウオウマルちかきながら、そのことさえぎる。


「おまえは、あのときおおかみロボット!」


 そしてほくけ、かなりつよ調ちょうう。


「それとほく、おまえきょうしつろっつただろうが。みおいおまえい、大人おとなしいのかこうどうりょくるのかハッキリしろ!」


 そのようみおすこしビクついてていると、わたなべせんせいほくもうわけなさそうにかえす。


「ゴメンなさい、でもそんなかたないんじゃ……」


 そのことほく姿すがたに、わたなべせんせいぶんき、こんいた調ちょうほくはなける。


「……たしかにいまのは、せんせいけいことった。わるい」

「ボクもかっことをしてゴメンなさい……」


 ほくがそうってあたまげると、わたなべせんせいう。


かってくれればい、それよりよう如何どうした。いっしょじゃないのか?」


 そうかれたほくは、咄嗟とっさうそく。


「さっき、ボクたちロウオウマルたちったんですけど。ようくんリュウジャマルについてっちゃって……」

リュウジャマルって、たしかあのグラウンドにやつだよな」

「はい」


 ほくがそうへんをすると、わたなべせんせいすこかんがえてから、ロウオウマルかっておねがいをする。


ロウオウマルわるいがクラスどもたちまもっててくれないか? おれようどもさがしてくる」


 そしてときけてもう。


ふしわるいけどはらせんせいせつめいたのめるか?」


 そうわったわたなべせんせいは、ようさがしにけてってしまう。


流石さすがしんぱいなんでしょうね。ぜんにんかったわ」


 ときがそううと、めぐみときく。


なんこと?」


 するとときほほんでおしえる。


てんかったり、ぬすんでたすけをぼうとするたんにんが、わたなべせんせいかったってはなし」


 そこまでってときは、ほくよこかくにんしたのちしんぱいそうなかおめぐみう。


「それよりかおるだいじょう? なにものすごあんそうだけど」


 たい耀ようはそのことき、あることおもい出してほくみみちをする。


ほく、ちょっと」

なに?」


 ほくがそうごえかえし、ときはそのようかくにんしてたりく。


たりとも如何どうしたの?」


 そうなかおときに、たい耀ようかえす。


「トイレだよ、トイレ」

「それならわたしも……」


 たい耀ようことかおるがそうつづけ、たい耀ようほくかおるさんにんはトイレへとかう。

 それをおくったみおに、ときねんおくる。


(「わなくていわよ。スセリのほうも、そろそろしおどきみたいだしね」)

(「かった」)


 ねんみおからのへんもらったときは、すこなやむ。


(とはったものの、あのたちだけでだいじょうかしらね? まぁわたしたちがこんなところたら、トイレからもどってときじゃだろうし……)


 そうかんがえたときは、かってう。


「そろそろきょうしつはいりましょう。ようくんしんぱいなのはかるけど、みんなちかくにほうまぎれるかもれないわよ?」


 そうわれ、すこかんがえてからへんかえす。


「うん、かった。それよりときちゃんはきょうしつもどらなくていの?」

せんせいおおにみてれてるけど、たしかにそうね。それじゃわたし貴女あなたきょうしつもどったら、わたしきょうしつもどる。貴女あなたしんぱいだし]


 ときにそうわれ、きょうしつもどってく。


貴方あなたたちも、はやもどりなさい。おおかみさん、あとはよろしくね」

 

 みおめぐみロウオウマルにそうって、ときぶんきょうしつもどってった。



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