第1話 ギャンブル依存症の母と、娘。_14
市の女性相談室で、女性相談員の人に
我慢して暮らすしかないと言われ、
解決方法が見当たらないまま役所を出た。
市役所の福祉課の人が
なにか手立てがないか、
この事例を他の部署の人にも聞いてみていいでしょうか、
と言われた。
わたしは「はい」と答えた。
お父さんと一緒に市役所に来ていただいてもいいですよ。
福祉課の人は続けた。
たしかに、いつかは父にも話をして
市役所に一緒に来てもらわなくてはいけないかもしれないと思った。
ただ、こうしていろいろと相談をしても
結局、解決方法が見つからない。
そんな無駄足を父にさせるわけにもいかないと思った。
父はわたしが産まれてから
ずっと、真面目に働いている。
無駄使いもせず、
母が勝手に契約した家のローンを払い続けている。
そのことを考えるだけで涙が出た。
*
わたしはこのままでは心が持たないと思い、
またネットで相談できる先がないかを検索した。
自分自身のメンタルに
そろそろ限界が来ているのを感じられた。
一時はやめていたお酒の量が増えてきている。
このままだと、わたしも壊れてしまう。
わたしが壊れてしまうことは
この家の経済の破綻を意味する。
なんとか、自分の気持ちを立て直さないと。
そう思った。
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