第1話 ギャンブル依存症の母と、娘。_11

競馬にはまってしまってから

30年間、ほぼ毎日競馬をしている母。


その母には家族の声は届かなかった。

すこしでも競馬のことについて指摘すると

母は感情的になり、声を荒てしまう。


わたしは家族、特に父に負担をかけないように

自分ひとりで母に競馬をやめてもらう方法を考えた。


JRAや、公的に依存症についてのアドバイスをしてくれる先に電話をした。

しかし、解決には至らなかった。


最近、母親が人格を否定するようなことを

わたしに言うようになり

同居することに限界を感じたため、

一時的にでも家から出て

自分の心の安全を守るためにどうすればいいかを考えはじめた。


家の近くに安いアパートがあれば、

家にお金を入れながら

自分は外で暮らせばいい。

そうすれば、台所やトイレを自由に使える。


基本的な生活をするために

必要なものが手に入れられると考えた。


しかし、二重生活は家賃だけで賄えるものでもない。

資金的に厳しいのでバイトをすることも考えたが、

会社にバイトをすると言うのはハードルが高かった。

うちの会社にはダブルワークをしている人がいない。


そこで、なにかいいアイデアがないか

市役所に相談をした。

すると、住宅相談会があるから

まずはそこに来てみませんかと言われた。



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