第39話:ドリアン王大爆発



「さらばだ、ドリアン王!」


俺たちは一斉に声を上げ、スイメロン爆弾の起爆スイッチを激しく押し込んだ。


スイメロンが爆発する瞬間、まるで天地が揺れ動くかのような轟音とともに、破壊の光がドリアン王を包み込んだ。爆発の衝撃で俺たちは吹き飛ばされながらも、果実王の支配が崩れ去る様子を目の当たりにした。


炎と煙が舞い上がり、絶対領域は崩壊の淵に立たされた。ドリアン王の嘲笑が消え去り、彼の姿も見えなくなった。


クレーターの中央に立つドリアン王の姿が、スイメロン爆弾の激しい爆発と共に一瞬にして包まれる。爆風がドリアン城下町を揺るがし、破壊の光景が広がる。


「ぐぁぁぁぁぁがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

爆発の衝撃でドリアン王の硬い果皮が砕け散り、彼の身体が無防備な状態に晒される。彼は苦痛にうめき声を上げながら、地面に倒れ込む。


破片が飛び散り、煙と火花が舞い上がる中、ドリアン王の姿は血だらけになり、果実の香りが漂う。


「うぐぐぐあぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」

彼の体は痛みに歪み、苦悶の表情が浮かび上がる。硬い外殻が剥がれ落ち、その内側に隠された脆さが露わになる。


「あぁぁぁぁぁぁいぃぁいぁいぁいあぇぇぇぇいぇいえぇぇぇぇぇぇ!!!!」

うめき声は悲鳴とも似たものへと変わり、空間に響き渡る。彼の力強い存在感が一瞬で崩れ去り、痛みと絶望が彼を支配する。


爆発はそれだけには収まらない!

ドリアン王の体内の果肉が、連鎖爆発し、さらに巨大な爆炎が上がる!


ドリアン王の身体が激しく膨張し始める。果肉が破裂する音が響き渡り、まるで嵐のような風が吹き荒れる。


「うわぁっ!」


俺とメロンナ姫は、その圧倒的な力に押し潰されるような感覚に襲われる。爆風が迫りくる速さに身体を強張らせ、地面にしがみつく。


城下町の建物はドリアン王の爆発によって粉々に砕かれ、瓦礫が空中を舞い散る。爆風の衝撃は街を包み込み、街並みが一瞬で変貌する。


「メロンナ姫、ついてきて!」


俺は必死に手を伸ばし、メロンナ姫を引き寄せる。彼女もまた、爆風に逆らいながら俺に向かって飛びつく。


しかし、爆風の勢いはますます増していく。俺たちの身体は空中に舞い上がり、猛烈な速度で街を駆け抜ける。


爆発の衝撃で建物は粉々に砕け散り、その瓦礫が広範囲に散乱した。かつて立派だった建物は、今や倒壊した骨組みや燃え盛る残骸と化している。


街の中心部や商業地区は、かつての栄華を失い廃墟と化している。塔やダンジョンも倒壊し、その残骸が巨大な迷路を形成している。


道路は大きくねじれ、深いクレーターができ、一部は完全に消滅してしまった。爆風によって地下管路や水道も損傷し、街のインフラストラクチャーは壊滅的な状態に陥った。


風が俺たちの髪を乱し、衣服を引き裂く。まるで竜巻の中に身を置いているかのような感覚が広がる。


「絶対に離れるな!」


俺の叫びが風に飲み込まれながら、俺とメロンナ姫は絶え間ない爆風に抗い続ける。


だが、ドリアン王の身体は次なる爆発を起こし、再度、地面が揺れた!


「わたくし、もう無理ですわぁ!」

迫りくる爆風と爆炎に、メロンナ姫が叫びだす。

俺も同感だった。こんな爆発に耐えられるわけがなかった。


くそっ! せっかく、ドリアン王を倒したというのに、こんなところで終わってしまうのか……!?


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