第37話:たった一つの冴えたやり方

俺は決意を固め、ドリアン王に向かって叫ぶ。

「ドリアン王、真剣勝負だ!一対一で戦おう!」

その言葉が荒涼とした大地に響き渡る中、ドリアン王は冷笑を浮かべながら俺に目を向ける。


「はははは!これほど絶望的な状況でも、そんな提案をするか、小気味よい! よかろう」

と彼は応える。その声は嘲笑に満ち、挑戦への興奮を感じさせる。


ドリアン王は果皮の隙間から俺を見つめ、傲慢な表情を浮かべたまま、次なる言葉を口にする。

「果実の力と人間の力の差を思い知らせてやる。だが、覚悟はできているのか?」


その問いに俺は自信を持って頷き、心の奥に燃える決意を示す。

「覚悟はできている。果実王と真剣勝負をし、この戦いの行方を決めよう!」


ドリアン王は俺の覚悟を見定めるように静かに頷き、果皮のトゲを輝かせながら言葉を続ける。

「よし! 果実王としての力を全て解放してやろう。お前の挑戦を受けて立つぞ!」


真剣勝負が始まり、ドリアン王は圧倒的な技を繰り出す。彼のトゲからは強力なビームが何本も放たれ、破壊力溢れる攻撃が俺に向けて飛んでくる。しかし、俺はひらりと身をかわし、その攻撃を巧みに避ける。


「そこだ!」


俺は機敏な動きでドリアン王の背へと回り込む。彼は驚愕し、目を見開いて俺を追いかけるが、間に合わずに背後へ回り込まれてしまった。


「な、なぜだ!? 果実王の絶対領域フォレストス・ドメインに侵入できるのか!?」

ドリアン王は焦りながら叫ぶ。彼の声は混乱と困惑に満ちている。


俺はにやりと笑う。

「偉大なるスイカの力を見くびったな! ドリアン王よ、お前はたった一つの、だが、致命的なミスをした!」


「ミスだと!? この私が!?」


「ああ、そのミスとはな……」

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