第26話 いつもの日常
ケールが修道院に旅立って3日。この食堂での日々は変わらず穏やかに続いている。ユナもマリーもいつも通りに働いている。
ちょっと変化があったとすれば、時折お昼を食べにシューカがこの食堂へ立ち寄る事になったくらいか。彼女は決まってから揚げ定食を注文する。余程気に入ったのだろう。
「こんにちはー」
「いらっしゃいませ、ご注文は何になさいますか?」
「じゃあ、生姜焼き定食お願い」
今日も、客が次々にやってきては去っていく。その繰り返しだ。
「はあー…」
今日も16時ジャストに閉店。ユナが息を吐きながら閉店の準備を済ませて、帰宅の準備を進めていた。
「なんか、今日はお客さん多かったねー」
と、今日の客の出入りについて振り返るユナ。
「ああ、なんだか冥界廊で新たな鉱石が見つかったって言ってたような」
マリー曰く、冥界廊の地下15階層のフロアにて、紫色をした新種の鉱石が見つかったというのだ。しかも、その鉱石は魔力を放っているのだという。
「人間であれを取り出すのは、無理ゲーかもねえ。マリー?」
「私もそう思うわ。あと話を聞く限り、来週掘削作業に入るみたい。魔女がたくさん投入させられるとか」
それを聞いて私は少しだけ不安を感じた。なぜなら、魔女がたくさん投入されるという事は、私も呼ばれる可能性があるんでは?という事に繋がりそうに思えたからだ。
「あの、マリーさん」
「なあに?真夜」
「私…私達は、呼ばれないですよね?」
私がそう、おそるおそるマリーに尋ねてみると、マリーはユナと顔を見合わせる。
「…どうなんだろう」
「や、マリー。私に聞かれても分かんないよ」
「…呼ばれたりするのかな?」
2人の反応を見てると、なんだか怖くなってきた。
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