第24話  修道院へ向かう前日の夕食と出立

「いただきまーす」


 全員揃っての夕食が始まる。やはり大人数でテーブルを囲っての夕食は心が湧き踊る。

 早速みそ汁をずずっと飲んでみる。熱いが全身に熱とだしのうまみが染みわたる。


「はあ~っ…美味しい…」


 次にはうどん。噛むとモチモチとした食感だ。これは食べ応えがある。鳥肉も思ったより柔らかく、うまみが染みこんでいて美味しい。

 これくらいのボリュームならご飯はいらないだろう。うどんがあるので炭水化物も一緒に摂取できる。


「これ美味しいです!!」

「真夜ほんと?良かったわ!」

「あの、これ…メニューに加えてみません?」


 突然の思い付きを勢い任せに口に出してしまった私。一瞬やってしまった!とは思ったがマリーは嬉しそうな表情を見せる。


「採用!ユナはどう思う?」

「私も勿論採用で~だって美味しいもん」

「シューカとケールは?」

「ぜひぜひ採用しちゃってください!」

「良いと思う~」


 こうして、偶然にも新メニューが決まったのだった。

 完食し、各々夜を過ごすと、いよいよ出立の日となる。


「じゃあ、行きましょうか」


 シューカも一緒に来てくれる事になったのは頼もしい。こうして店を出て修道院へと移動する事になった。

 移動手段は馬車。前世で言う所のタクシーみたいなのがあるらしい。冥界廊近くにバス停のようなものがあり、そこから各方面へと出歩いているようだ。


「すみません。よろしくお願いします」


 マリーがそう言って馬車の主へ声をかける。馬車の中は広い。5人座って荷物を入れてもまだスペースがあるくらいだ。


「じゃあ、出発するぞ」

「おねがいしまーす」


 もぞもぞと馬車が動き出した…かと思えば気が付くとかなりのスピードを出して走り始めた。


(え、はやっ!!)



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る