第23話 修道院へ向かう前日の夕食②
味噌汁を全体的にかさまししていくのだが、から揚げ用の余った鳥肉だけでなく野菜もマリーは足していく。
「にんじんと、キャベツ入れようかな」
「結構具だくさんですね」
「でしょ、真夜もしっかり食べてね」
「はいっ!」
白だしと合わせみその風味が、鼻の奥まで届いて来る。
(これは美味しそうだ)
すると、ユナがみそ汁の入った鍋を興味深そうに見る。
「これにさ、白みそ入れたらどうなるかな?」
どうやら白みそを足そうとしているらしい。流石にこれ以上調味料を足したら味のバランスが崩れないか気になるのだが、ここは黙って見ている事にした。
「ユナ、みその入れ過ぎはダメよ」
「マリーやっぱし?」
「ていうか合わせに白みそは甘くならない?」
「あー…じゃあマリー、赤みそ入れちゃう?」
「ちょっとだけだからね?」
ユナは小さじ半分ほどの赤みそを鍋に入れた。さあ、この味付けが吉と出るか凶と出るか…。
(あれくらいの量なら辛くはならないかもだけど、気になるなあ…)
野菜と鳥肉、うどんが煮詰まって、みそ汁が完成した。完成したみそ汁は、いつものお椀には収まりきらなかったので丼用の白い器に入れていく。
「わあ…」
ユナが目を輝かせている。鍋からは湯気が立ちこみ、だしの匂いが辺り一面に立ち込めている。
「匂い嗅いだだけでおなか減ってきたー!!」
と叫ぶユナを、マリーがなだめる。すると店の扉を叩く音が聞こえてくる。シューカだろうか。
「シューカかなあ~?」
ユナが扉を開くと、やはりシューカだった。
「すみません、遅くなってしまって…」
「シューカさん!晩御飯食べて行きますか?」
と私が聞くと、シューカはぜひ。と答えた。
「良い匂いですねえ、何作ったんです?」
「みそ汁ですね。野菜と鳥肉とうどんも入ってます」
「真夜さんほんとですか?楽しみだ~」
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