第22話 修道院へ向かう前日の夕食①
夕食のから揚げを満喫し、その後もマリーのまかないによって体力を回復しながら食堂で働く日々が続いた。
「真夜、大分接客慣れて来たわね」
マリーにもそう言われ、わたしの体の奥からも次第に自信が出てくるようになった気がする。
「ありがとうございます」
「これからも頑張ってね。期待してるわよ☆」
「真夜良かったジャーン」
ユナに腕でぐいぐいと脇腹を突かれた私は、えへへ…と上機嫌に笑うのだった。
そんなこんなでいよいよ、ケールを修道院まで送る日の前日がやってきた。この日は閉店後にケールの分の荷物をまとめて、修道院まで行く道をリサーチを終えてから、遅めの夕食となる。
「遅くなってごめんね」
とマリーが申し訳なさそうにケールに告げたのを私は見た。
「ううん、こっちこそ手伝ってくれてありがとう」
ケールは良い子だ。これなら修道院でもやっていけるという確信がある。
「ケールは可愛いねえ~」
「ゆ、ユナ…くるし…」
ユナがケールを後ろから抱き締めて頭をわしゃわしゃと撫でている。ほほえましい光景だ。
前世ではちょいちょい子供の患者のこう言った光景は見てきたが、やはり健康体かどうかだけで、大分違うのだなと痛感する。
(健康な魔女に転生できてよかった。皆も優しいし、暮らしにも困らないし…)
これまでを振り返っていると、マリーが声を上げた。
「さて、夕食作りましょう!」
遅くなったので、余ったお味噌汁をかさましして、更にそこへうどんを入れる事になった。ほうとうみたいな感じだろうか。
うどんは確かに、ほうとうのような平べったい麺だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます