第19話 から揚げの味

 シューカは美味しそうにから揚げを頬張っている。そんな彼女に私は味わいはどのような感じか聞いてみた。


「一言で言うならジューシーって感じです。衣も柔らかくて、ショウガが効いていてお肉はとってもジューシーで柔らかい!って感じですね」


 そう満足そうに語るシューカを見て、私も、から揚げが食べたくなってきたのだった。


「ごちそうさまでした」


 昼食を完食したシューカは、お代を支払うと、レンジャーのある基地へと戻っていく。去り際、また来るので連絡が欲しい。とマリーに告げていったのだった。

 その後も、客がやってきては対応…を続けていくと、気が付けば閉店の時刻が訪れた。


「もう閉店かあ~、はっやいなあ」


 と、ユナがけだるそうに閉店の支度を進めていく時、私は突如マリーに声をかけられる。


「ねえ、真夜。今日の晩御飯、から揚げにする?」

「いいんですか?」

「ユナー、今日晩御飯食べてく?から揚げにしようと思うんだけど?」

「食べる食べるー!」

「よし、決まりね☆」


 にしてもなんでから揚げになったのか、少し気になっている自分がいた。確かに食べてみたいと興味を抱いているのは事実だが。


「マリーさん、どうしてから揚げを?」

「ああ、材料が余っちゃってるから…それに真夜もユナも食べたそうにしてたし」


 どうやらお見通しだったようだ。そしてユナも食べたそうにしていたという事実を知る。


「マリー何で知ってるの?!」

「だってお昼から揚げつまみ食いしてたじゃない」

「ば、ばれたか…」


 ユナは肩を落とし、いかにも観念した様子を見せた。


(ケールもから揚げ食べるかな)

「マリーさん。ケール呼びに行きましょうか?」

「ええ、お願い」


 私は2階へあがり、ケールを呼びに行く。部屋の扉をノックしてケールのいる部屋に入ると、彼女は本とにらめっこしていた。


「ケール、晩御飯の準備するから1階へどうぞ」

「うん、この本持ってってもいい?」

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