第14話 冥界廊での人間関係の話

「最近ね、冥界廊の中でも色々あるんだって」


 そう語るマリー。聞けばレンジャーや探検家などの人間関係は非常に複雑なものなのだそうだ。


「最近レンジャー同士で結婚した男女がいるんですけど、男の方は魔女と同時並行で付き合ってたらしいんです」


 そう語るシューカ。そして男の方はクズではないか?


「そしたら結婚式に魔女が乗り込んできたんですよねー」

「ああ、やっぱり…で、シューカさんどうなったんです?」

「レンジャーの女と魔女が取っ組み合いの喧嘩になって。結局結婚式はご破算になりレンジャーの女も魔女も男の方をフッて終わりました」


 男がいかにダメンズだったかがよく分かる話だった。冥界廊ではこのような男女の話がよく噂の種として盛り上がっているのだという。


「シューカさん。それと最近、冥界廊で活躍したのを鼻にかけてる男も良く聞くけどほんと?」


 マリーがそう聞くと、シューカは大きく頷く。


「いますよ。ちょっと自分でワンフロア分攻略出来たからって、すぐ調子に乗る若い男の探検家。そう言う人に限ってすぐレンジャーの世話になるんですよね」


 シューカの呆れた顔と声が、苦労を物語っているように見える。


「成程ね…」

「ああ…」

「で、レンジャー呼んだの内緒にしてくれとか言うんですよ」


 この後もシューカの愚痴やマリーの質問をメインに話していくとあっという間に深夜帯になる。

 日付が変わったタイミングで各々解散し、布団に入ったのだった。


(なんか、面白かったな)


 シューカらの話が脳内で何度も再生されて、別に眠れなくてもいいや。という気持ちにさせてくれるのだった。

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