第13話 眠れない時

「お皿洗ってくれたんだ」


 戻ってきたマリーにそう言われ、私は頷くとマリーはありがとう。と感謝の言葉を口にしてくれた。


「助かるわ」

「いえいえ」


 その後も食堂の片付けにケールの様子を見に行ったりすると、あっという間に夜の20時が来た。


「部屋でゆっくりしておいで。寝てても良いから」

「でも、マリーさん…」

「真夜、無理はしちゃいけないわよ」


 ここはマリーのお言葉に甘えて、自室でゆっくりする事にした。そう言えば前世で入院していた病院は、21時が消灯時間だった記憶がある。


(もうそんな時間か)


 マリーが用意してくれた寝間着に着替えて、ベッドの上に大の字になる。ああ、天井を眺めるのはなぜだか分からないけど気分が落ち着く。


(よく天井眺めていたなあ)


 いつも右腕か左腕には点滴がつけられていて、口と鼻にはマスクとチューブ。機械が絶え間なくピッピッと音を発していて…

 時折窓から眺めを見ると、特に代わり映えも無く。だけどたまに降る雨や雷の音は少しだけ刺激になっていた。

 でもそんな生活はもう、送らなくていい。


「寝よ」


 布団を被り、丸まるように横になって目を閉じる。


「…」


 しかしながら、今日は中々寝れない。寝つきが悪い気がする。


「あれ…?」


 眠気が中々湧いて来ない。仕方ないので私は一旦ベッドから起き上がった。


「体でも動かしてみようか」


 試しに腕を伸ばしたりストレッチをしてみる。しかし体がほぐれるくらいで肝心の眠気は出てこない。


「うーん…どうしよ」


 するとどこからか笑い声が聞えて来た。私は釣られるように部屋の外で出ると廊下でマリーとシューカが話していた。


「あら、真夜」

「どうもですー。何話してたんですか?」

「ああ、冥界廊についてですね」

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