第8話 食堂のまかない

 13時過ぎに私とユナはお昼休憩を取る事になった。ちなみに食堂は16時までの営業である。冥界廊が閉鎖されるのも同じく16時だ。

 暗くなると危険が増すため、冥界廊及びダンジョンは全て日没前には必ず閉鎖となるのだとか。

 確かに人の数が12時過ぎよりかは目に見えて減ってきている。団体でも来ない限りはマリー1人でこなせそうな数に見える。


「真夜ー、休憩入ろう」


 ユナに手を引かれて、食堂及び厨房の奥にある部屋の一角に入った。


「まかないもってくるねー。何が良い?」

「じゃあ、カレーライスで」

「りょーかいっ。私もカレーライス食べたかったんだよねー」


 厨房に入ったユナが再び戻って来た時、ユナの両手には大盛りのカレーライスがあった。カレーライスがあまりにも大盛り過ぎて富士山のように見える。


「え」

「真夜もこれくらいいけると思ったんだけど」

「いやいやいや…」

(無理無理無理)

「ごめんごめん、余ったやつはこっちが食べるから余しといていいよ」


 そう言ったユナはいっただきまーすと言いながら早速カレーライスを大口で頬張っていく。


「うーん、美味しい!」

「いただきます」


 私もカレーライスを一口分スプーンで取って、口の中に入れた。すると中辛の程よい辛さにスパイスの入った、どろっとしたルーの味が口の中でぱあっと広がる。

 これはご飯が進む味だ。


「美味しいっ…!」

「でしょ?マリーの作るカレーライスはほんと美味しいんだよねえ」


 それにしてもユナの食べ進めるスピードは凄まじい。もしかして魔術でも使っているのだろうか?


「食べるの早くないですか?」

「良く言われる~。あっ魔術は使ってないよ。地だから」

(お見通しだったか)


 結局、カレーライスは一部残してしまった(残りはユナが美味しく頂いた)がとてもとても美味しかった。前世で食べた病院食のカレーライスよりも美味しかったかもしれない。

 これなら16時まで頑張れそうだ。

 

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