私たちは浮気し合ってます

百日紅

私たちは浮気し合ってます

連載小説を更新出来てないので、忘れられない為に短編百合を投稿しました。

新作はこんな感じで書きたい所存。


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「ねぇ、また一ヶ月後にならないと、会えないの?」

「………そうだね。私は地方で、綺羅きらは都内の高校。またしばらく会えないのは私だって寂しいけれど、遠距離恋愛って、そういうものでしょ???」

「うん………そう、だよね。(よかった。)…………じゃあ、少しでも寂しくなんないように、もっかい……シよ♡」


 ラブホテルの一室。チェックアウトまでにはまだ少しだけ、時間がある。

 昨夜も愛し合った私たちだけれど、身体は尚、相手を求める。


 私のカノジョ、千智ちさとちゃんは微笑んだ。どんな表情も彼女のものならば世界一だけれど、中でも彼女の笑顔は格別だ。

 ニヘラと私まで笑みが零れてしまう。


「もちろん♡――――んむっ」

「はむっ、、ぁむ、、、ぅむ」


 互いの舌が絡まり合う。

 もう既に昨夜の情事から二人とも何も纏っていない生まれた時のままの姿。

 相手の首に手を回し、動きながらもピチャピチャと舌は相手の口内を舐めて、吸って、また舐めることを止めない。


 私は右手を、カノジョを感じさせるための下の秘部に。

 カノジョも右手を、私を感じさせてくれるために下の秘部に。


 首にかけたままの左腕には互いに力がこもる。なんとしてでも離さないと。訴えかけるように。


「「ぅあ―――――♡♡♡」」


 中指がソコに入った瞬間、私たちは同時に声をもらした。

 そのまま何度も互いに嬌声をあげる。絡み合ったまま。


「「(………また、一ヶ月後にこうやって愛し合えますように)」」


 ♥ ♥ ♥


 千智ちゃんと「またね」をした二日後、私は同じ高校のとベッドの中にいた。


「綺羅ちゃん、ほんとーにいいの?その、私なんかが綺羅ちゃんの大事な身体を触っちゃっても………」


 そう言いながらも、発情してるのか「はぁ、、はぁ、、」と熱い吐息がもれて、私の上に跨る女の子。

 別に千智ちゃんみたいに飛び抜けて可愛い訳でも無くて、逆にカッコイイ訳でも無い。私の好みの女の子のタイプでも無い女の子。けれど、彼女――はるかちゃんには私しかいない。


 彼女は私に依存している。

 そこが良い。なんだか、ゾクゾクする。


 きっと千智ちゃんはここまで私に依存していない。私と千智ちゃんは確かに好き合っているけれど、私がこうやって他の女の子と寝てるみたいに、千智ちゃんだって絶対に私以外の子と寝てるはずだ。


 その証拠に、私とエッチしてる時に何度も千智ちゃんのスマホには知らない女の子の名前からメッセージが幾つも来てたんだから。


 まったく、愛し合ってる時ぐらい、スマホの電源は切っとくのがマナーなのにね。


 そんな夜のことを思い出していると、私に覆い被さる遥ちゃんは少し不満げ、あるいは怒った顔をする。


「むぅ………綺羅ちゃん、今、私以外の女の子のこと、もしかして考えてた??」


 …………おっと。

 どうやらマナー違反を犯していたのは、私も同じみたい。

 でもそんなことは奥目にも出さずに。


「何言ってるの。私には遥ちゃんだけ。遥ちゃんしか愛せないの」

「そ、そう、、だよね///ごめんね?疑っちゃって………」

「んーん。いいよ。それよりもほら、来て?」


 その合図で、遥ちゃんは見事に女の子から獣へと変わった。

 遥ちゃんのもう一つの魅力。それは千智ちゃんよりもエッチが上手いこと。私を気持ちよくさせてくれるところ。


「あぁ♡ぅ、うっ――――――あっ♡」


 彼女がタチで、私がネコ。

 遥ちゃんの指使いはとても私を気持ちよくしてくれて、快楽に私を溺れさせてくれる。


「綺羅ちゃん、綺羅ちゃん、綺羅ちゃん♡♡」


 あぁ、ほんとに可愛い。

 こういうところは大好き。


 遥ちゃんには私しか居ない。

 この依存からくる独占欲は、きっともう千智ちゃんからじゃ得られない快楽だ。


「(遥ちゃん、、、あなたは私だけを愛してね)」


 ♥ ♥ ♥


 恋人の綺羅と「またね」をした次の日。

 私は地元の大学に通う二つ上の女性とベッドにいた。


「気持ちよかった、ですか?」


 私の腕に頭をのせて、幸せそうな顔をしている弥生やよいさんに、そう問いかけた。

 私も彼女も、服をいっさい着ていない。


「………えぇ、とっても気持ちよかった♡ほんとーにエッチが上手だね、チサトちゃんは」

「えへへ///」


 弥生さんに頭を撫でられて、綺羅の前でも滅多に見せないだらしない顔を弥生さんに晒してしまう。


「こんなにエッチが上手だと、私以外に女がいるんじゃないかって、疑っちゃう」

「……そんな悲しいこと言わないで。私には弥生さんだけなんですから」

「ほんとに?」

「ほんとです。今から、その証明しても良いですか?」


 ガバっと私は再び、彼女の上に跨った。


 弥生さんは私よりも年上だけど、私よりも寂しがり屋だ。彼女は私に依存している。彼女には私しかいない。

 それがまた良い。


 顔も身体も、綺羅には劣るけれど。


 それでも綺羅は、きっと私には依存していない。カノジョにはきっと、私以外にも女がいる。そんな予感がしている。証拠は無いけど。


 けれど弥生さんは違う。

 彼女は私に依存し、私でしか快楽を味わえない身体だ。


「さぁ、また、私で気持ちよくなってください」

「あはっ♡」


「(どうか、あなたはこのままどこまでも、私に溺れてくださいね)」


 ♥ ♥ ♥


 そして一ヶ月後………。


「今日から三日間、いっぱいイチャイチャしようね!千智ちゃん!!」

「うん!私も、綺羅に会いたくて会いたくて、仕方なかったの。たくさん愛し合おう」


 今日も私たちは、カノジョを愛します。

 例え、カノジョが浮気をしていても。

 例え、私が誰と寝ていても。


 私たちは愛し合っているのだから。















「一ヶ月ぶりね、遥ちゃん」

「そうですね、弥生さん」


「「今夜は沢山、愛し合いましょう♡♡」」

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