第11話 変なやつになりたい


子供の頃。

私は、自分が「変なやつ」であることが嫌でした。


嫌というか、納得できない、に近いか。




親やお友達などから、


「あんたって変なコねぇ」


と言われ続けていたために、


「自分って変なのか」と


「変なことはあまりいいことではないのか」と


そういう思考をしてしまい、


その結果、


「変な自分をなるべく、できる限り隠そう」


というテーマが自分の生活のなかで生まれました。


まぁ、その後も「変な子」と言われ続けていたので、それはつまり全然隠せていなかったということなのですが。



今、変な子をやめたことを私は結構後悔しています。


どのくらい後悔しているかと言うと、期間限定キャラを性能面から見逃した結果、実は人権キャラだったとわかったときくらい後悔しています。



なんで逃してしまったんや。


それは強キャラだったのに。


それはお前の長所だったのに。




皮肉なことに、今の世の中、変であることは直接お金になる様相さえ見せてきました。


素人が自分で動画を作って前に出るような世界ですから、必然、希少性の高いものに流れていきます。


さらに、人がいるところに人が集まるプラットフォームしかなくなりましたので、

希少性はお金に直接換金できる有様です。



変であることとは、希少性であることに、当時十代のわたしは気づいていなかった。


年少時代には疎まれる希少性が、社会に出ると貴重であり個性であり一攫千金を呼び込むほぼ唯一の武器になることも、理解していませんでした。



そのために、私は自分の希少性をみすみす逃してしまったのです。

あとに残ったのは、金にならない程度の扱いにくさのみです。


つまり、ただの変人が生まれたってわけ。


中途半端な変人さなんか、ディスアドにしかなりません。

うふ。




だから、私は今後天的に、変さを取り戻そうとしています。


自分の主張が変であることを誇り、


自分の観点が変であることを突き詰めようとしています。





でもね。

一度失ったものは戻ってこないんだ。


人権になった期間限定キャラがまったく復刻しないように。


あれは、たいてい運営側のミスなのです。


ちょっと数値いじりすぎてしまったので、もう二度と出せないのです。




変であること。

それは、お金になる、ならないを置いておいても。

素晴らしい才能です。


実は人生において、もっとも得難いものなのかもしれません。


社会で生きづらいほどの変さだと、苦労はするかもしれないので、程度問題もありますけれど。


なにより、変である自分のまま生きていけることは、


自分を肯定できている、素晴らしいことだと思いますから、今は。




変でありたい。




それが今の私の願いです。


そして、人と違う感性を持っている自覚がある、自覚がなくても変とよく言われる人には、それを誇りに思ってほしいのです。


お金になるならないは関係なく、変であることを無理に隠すのは、一番大事な自分自身に嘘をついて、傷つけることになるのですから。

素直に、変でいてほしいなと、心からそう思います。




あばばばばばっばばばばばばb(変さアピール)




今日も今日とて15分です。

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