第10話 プロットないストーリー大体わかる説
私の特技は、プロットなしで書かれたものを見抜く能力です。
プロプロの実の能力者と呼んでください。
はっきりその力の発現に気づいたのは、デュラララ!のアニメを見たとき。
適当にアニメの展開を眺めてたら、
面白いけど、なんか散らかってるなと感じました。
アニメにした際の都合上で散らかっているというよりは、原作そのものが散らかっていそうな感じ。
悪い意味では決してないのですが、『匂い』がしたわけです。
プロット書いてない匂い。
それで、お友達に「デュラララってプロット書いてなくて一発書きしてそうなストーリーだよね」って話したところ、
無言で原作者のツイートのリンクをネットから拾ってきてくれました。
そのツイートはまさに、作者が「デュラララ!はプロットなしで書きました」とお話しているもので、
ザ・証明になってしまったわけです。
第三者から提供された、作者本人のお言葉ですから、自分でも流石に「オレには力があるんだ……!」となりました。
それから、私はこの能力を使って海賊王になるべく、イーストブルーに出たのでした。
ちゃんちゃん。
アルビダに殺されるよ、こんなザコ能力。
このプロット組んでなさそう、ということがなんとなくわかるっていう話は、
決して自慢ではありません。
ていうか、自慢になんねぇな、ということをこのエッセイで書きたいというのが今日のテーマです。
ストーリー作りに限らず、世の中のなんでもですが、
失敗した人は、失敗の方法がわかります。
同じ轍を踏もうとしている人が目の前にいる場合、匂いがするわけです。
あ〜、そのやり方だと、多分落とし穴にはまるな……あ、やっぱり落ちたっていう。
逆に、成功した人は、成功の仕方がわかるのでしょう。
あ〜、これはうまくいきそうだなってなって、実際うまくいく。
つまり、プロットを書いてないことがわかるっていうのは、
自分がプロットを書かないで、大失敗をした経験があるからこそ、
手にした能力にほかならないわけですよ。
本当は、成功の匂いがわかる方が圧倒的に良いのです。
本当は、プロットを書かないで、初めて書いた処女作で、成功するほうが圧倒的に良いのです。
それができなかったから、
原因を考えて、構造を考えて、プロットを立てる『羽目』になった。
それを必死にやりすぎて、おせっかいなことに、人様のプロットの匂いさえわかるようになってしまった。
プロットとは、(私の場合)うまくいかなかった者が必死で培ってきた生存戦略なのです。
こんな能力は、ある種の死闘の証にはあっても、なんの自慢にもならない。
私が言いたいのは、そういう話でした。
15分です。
ちなみに、このエッセイにプロットはありません。
作者が頭使わないで書いた匂いがプンプンします。
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