第3話 感情不安定

結局、終電で帰るのか…眠い、眠すぎる。


ユキさんの肩を抱き寄せた感覚が残っている。


転びそうなユキさんを助けた、それだけだ。


なのに、今度会う日を楽しみしている俺がいる。


何も考えすにとにかく今日は休もう。疲れた…


………………………翌朝………………………


【はると、おはよう!】


 りな、迎えに来てくれたのか。昨日のことあったから、顔合わせづらいな。


【今日で秘書ラストね。明日から代わりの人来るから。今日はよろしくね】


【そうか。りな、昨日はごめん】


【気にしてないよ、大丈夫】


 秘書って短い間にだけど、いろいろやることがあって大変なんだなー。つくづく向いてない。


【はると、もう何も言わないから、好きなように自由に楽しくね。ほんと、ごめんね。秘書とか無理やりお願いして】


【いや、俺が悪いよ。こんな中途半端に】


………………………会社………………………


【はると、おはよう!】


【みさ、何でここに?部署変更?】


【明日から、りなの秘書に。立候補したんだ!やりたかったし、同期なら気楽だしね】


みんな、凄く輝いてるな。楽しそうだ。


俺の居場所、ここじゃないな、もう確信した。


りなが、


【はると、今日は、引き継ぎって名目で。好きなとこ行こう!今までのお礼!みさは秘書っていっても出来るだけ、遅くならないようにするから】


みさも、


【はるとも疲れてるし、遊んじゃおうか!りな部長の権限で】


ありがとう、気を使ってくれて。それじゃ、俺は、


【海に行きたい】


つい、言葉が出てしまった。


【よし、決定!今から行こう。どこの海?】


決まってるじゃん!ユキさん達の喫茶店☕!


………………………喫茶店………………………


りなは、スマホのカメラで撮りまくり!


【ここ、凄いロケーションじゃない!】


みさも、


【綺麗な海!最高だね。この喫茶店って?】


るいさんが登場!今日は暇そうだ。


【平日の昼に売上貢献してくれて、ありがとう】


りなも、みさも、


【るいさんのお店!凄い!いいねー】


【いいなー、毎日この海見れるんだ!】


るいさんは、


【はるとから聞いたの?何度も来てくれて、はるとには手伝って貰ったり、助かってまーす!】


みさ、びっくり、


【はると…来てたの?通ってたの?】


るいさん、口軽いなー、いいけどさ。


【ちょっと前にね、オープンしたって聞いて】


何言い訳してるんだ?俺は。


おっ、ユキさん。買い物だったか。


【るい、遅くなっちゃった。ごめん。あっ、みんな来てくれたんだ!ありがとう】


ユキさんの声、癒やされる〜


【ユキさん、お疲れ様】


ユキさん、大荷物だ。運んであげよう。


【はるとくん、ありがとう。りなさん、みささん、ゆっくりしていって、私、仕込みあるから】


はるとくん、か。呼び方もとに戻っちゃったな。


何、がっかりしてんだ?俺?


みさが袖を引っ張って、何かな?


【はると、ちょっといい?】


【いいけど、ここじゃ駄目なの?】


【二人で話すことがあるから。りな、ごめん。はると連れてっていい?りな?あれ、どこ?】


りな、るいさんと何か話してる。ほっとこう。


………………………海辺………………………


【やっぱ、最高だ!ここは】


ヤバッ、何度も来てる風に言ってしまった。


【はると、何か生き生きしてるね】


みさ、様子がおかしいな。


【うん。海に来てるからね。何で?】


みさは、


【海が好き?それだけなの?】


何か、さっきから、様子が…どうしたんだろ?


【何かおかしい?海好きだと?】


みさは、泣きそうな雰囲気で、


【今の仕事、嫌なの?】


仕事の話…嫌だよ、話すのは。


【うーん、もうすぐ辞めるからね。モチベーション保てないっていうかさ】


みさは、俺に背を向けて、


【解った。もう言わない】


何だよ、みさ。何か言いたいの?


【戻ろうか?みんなのとこ】


みさが連れてきたんじゃん!よく解らん!


………………………喫茶店………………………


ユキさんが迎えてくれて、


【あっ、おかえり、海見てきたの?二人で?相変わらず仲のいいお二人さんだね】


ユキさん、そんなんじゃ…


【ユキさん、手伝います!】


【何いってんの?お客さん何だから、ゆっくりしていって。ハンモック出すから】


ユキさんの姿をここに来て、ずっと探してる…


駄目!駄目だ!冷静になれ!


………………………沈黙………………………


暫くして、みさが、


【はると、同棲しようか?】


な、何、急に!同棲?


【みさ、仕事落ち着いてからでいいんじゃない?】


ふっー、ため息。みさ…おかしいよ。さっきから。


【それが、はるとの答えか…解った。さぁー、何食べようかな!おっ、ブイヤベースあるの?凄っ!】


【るいさん、作れるんだよ。ユキさんが仕込みしてるからなんだけどね】


るいさんが、大声で、


【はると、聞こえたぞ~。ユキがいないと作れないみたいな風に言うな!ユキの評価最近高くない?私のほうが料理上手いんだからね!】


ヤベッ!怒らせた。


【るいさん、すみません。誤解です!るいさんのブイヤベースお願いします。あと、ボンゴレビアンコも】


るいさんが、


【同じ魚介だけどさ、面倒なの頼んできたな!こいつら。ボンゴレビアンコめんどくせー!】


一応…お客さんですが?


ユキさん、フォロー。


【るい、言い方!】


【ユキ、じゃ、手伝ってよ!ホールとか暇でしょ!】


えっ、ユキさんの手料理…ドキドキ💗


はー、俺どうしちゃったんだろ?














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